家系図の作成を専門業者に依頼せず、自分で作りたいと思われる方も多くいらっしゃることと思います。家系図作り・先祖探しを本格的にやるとなると数十年かかることも珍しくなく、大変な手間と時間がかかりますが、ご自身で粘り強くご先祖探しを楽しみながら取り組める方は、生涯にわたって取組む知的な趣味として家系図作りはオススメです。

自分で家系図作りにチャレンジしようとしている方に向けて、この記事では本格的な調べ方の概略を手順ごとに解説し、多くの記事の<総集編>として、自分で家系図を作るために必要な知識が学べる記事をまとめてご紹介します。

末尾に12個の質問に答えるだけで、簡単に家系図作りの進行具合が確認できる「家系図チェックシート」も用意してあります。このページを目次代わりにお気に入り登録して、ご自身の作業を進めてみてください。

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自分の家系を調べる4つの方法

  • A.戸籍を辿って家系図を作る(戸籍調査)
  • B.文献を調べて家系を調査する(文献調査)
  • C.親戚・同姓宅(本家)・菩提寺に聞く(聞取り調査)
  • D.現地に調査に行って家系を調査する(現地調査)

家系を調べる方法も様々なものがあり、ご先祖の情報を集める手段を大きく分類すると、上の4つの方法に分かれます。こうして並べてみると様々なアプローチがあることがご理解いただけると思います。忘れがちな「自分の記憶を辿ってみる」ことも大切です。誰にでも「我が家に伝わる言い伝え」の一つくらいはあるものです。昔におじいちゃん、おばあちゃんが教えてくれたことや、見せてもらったもの、家紋や名字の由来等の話を思い出して、メモに書き留めてみて下さい。それが家系図作りの下準備にもなります。

家系を辿る3ステップを確認してみよう

家系を調べる3ステップ

調査のステップ 調査する時代 調査方法
STEP1.戸籍調査 現在から江戸末期まで A.戸籍調査
STEP2.戸籍以上の調査 江戸・明治時代が中心 B.文献調査
C.聞取り調査
D.現地調査
STEP3.ルーツの分析・推測 江戸~平安時代までが限界 深い情報分析

家系を辿っていくにもいくつかの段階がありますが、一番大きな違いは江戸末期(幕末)まで辿ることができる「STEP1.戸籍調査」と、その先の調査である「STEP2.戸籍以上の調査」です。戸籍調査は役所へ戸籍を請求して集めていく事務作業ですが、次のステップである江戸時代の調査では文献調査、現地調査、聞取り調査など、調べる手段が全く違うので専門性・難易度が大きく変わってきます。

戸籍以上の調査がメイン!

基礎的な調査である戸籍調査の段階で満足してしまう方も少なくありませんが、家系図を作る多くの方が知りたいことは次のような事柄だと思います。

  • 江戸時代のご先祖の職業
  • 歴史上の人物・出来事との関係
  • 名字や家紋の由来
  • 我が家に伝わる伝承が本当なのかどうか? 等

結局、これらの情報は全て「STEP2.戸籍以上の調査」により判明しますので、多くの場合で文献調査などの戸籍以外の調査がメインになってきます。ちなみに最終段階である「STEP3.ルーツの推測」は深い歴史の知識がないと難しいため、上級者向けです。私達のような専門業者にとっては得意分野ではありますが、一般的には遠いルーツに興味のある方や、歴史的な知識に自信のある方のみチャレンジしてみる程度で問題ありません。

家系はどこまで辿れる?

どこまで辿れる?

自分の家系を調べるといっても、現実問題としてどの時代まで調べることができるのかは気になるところだと思います。結論からいうと、自分のルーツをどんなに深く調べたとしても、残存史料の関係で中臣鎌足(藤原鎌足)が登場する大化の改新(645年)までが限界です。しかも資料の信憑性の点から、どうしても調査結果は推測が混じったものにならざるを得ず、ハッキリとした根拠・証明を得るレベルまで調べることは困難です。多くの場合は「根拠のある推測」をするイメージになります。研究者の間でも一般論としては一人一人家系図をつなげていくのは鎌倉・室町時代(1336年)あたりまでが限界!というのが定説となっています。

辿れる時代にはかなり個人差がある!

日本人の中で最も歴史が長い家系である、126代続く天皇家でさえも1500年より前になると存在自体があいまいな神話の世界になってしまうわけですから、古くから続く由緒正しい家系の方はともかくとして一般人がそこまで正確に家系を辿ることは困難であり、辿れる限界についてもかなり個人差がある!ということを是非ご理解いただければと思います。

家系図作りに役立つ史料一覧

家系図史料 時代対応表(チャート)

家系図作り・先祖調査で調べる史料も様々なものが存在します。上の一覧表は弊社が独自に作成した史料・情報ごとの時代対応表(チャート)です。明治以降と江戸時代では調べる手段・史料が大きく変わり、戦国時代以前になるとさらに有効な史料がガクっと減ってくるのがご理解いただけると思います。また、江戸時代のご先祖が武士だったのか庶民(農家や商家)だったのかによって調べ方や調べる史料が大きく変わります。

プロの家系図業者の調査方法とは

私達がお客様の調査を行う場合は最も古い戸籍を取得し終えた後、それを基にお客様に10項目程度のヒアリングを実施し、①文献調査、②現地調査、③聞取り調査の方針を立てて調査を進めていきます。言い伝えの有無や名字などによって調べる史料や手段が変わってくるため、お客様ごとに調査方針も大きく異なります。さらに、戸籍の情報から作った家系図や言い伝えが残っている家もあれば、先祖に関する情報が一切残っていない家もあり、状況もそれぞれなので、そもそものスタート地点も様々です。

こうして一覧で見てみると、調べる史料の多さにビックリした方も多いかもしれませんが、家系図作りは一つの情報だけに縛られず、幅広く手がかりになりそうな史料・情報を集めていくのが基本となります。気の遠くなるような作業に思えてきますが、これが家系図作りというものです。数十年間、趣味で自分の家系図を調べ続けている!なんて方も全く珍しくありません・・・(よく出会います)。

戸籍は先祖調査の特急券!?

現行の戸籍制度は明治時代から開始された、日本特有の“家族単位”で国民を管理する制度で、戦前は「家」という構成単位で戸籍が編成されていました。今でもパスポートの申請や相続手続の際に証明書として使用したことがある方も多いと思います。そんな戸籍は家系図専門業者の私達から見ると“先祖調査の特急券”のような存在です。

なぜなら、役所に請求して古い戸籍を順番に集めていくだけで、誰でも簡単に江戸時代生まれの先祖まで調べることができるスグレモノだからです。戸籍は都市部(東京・大阪・京都など)より地方の方が保存状況がよい傾向がありケースバイケースですが、日本人であればどなたでも8割程度の確率で江戸時代に生まれたご先祖を見つけることができる、家系図作り・先祖調査にはとても便利なものです。この日本人の特権?ともいえる戸籍制度の歴史について興味のある方は以下の解説記事もご一読下さい。

「戸籍の歴史」の解説記事戸籍制度の歴史とは?いつから始まったものなのか。

まず戸籍調査から始めるのが基本!

第1ステップとしては戸籍調査を行って「戸籍でわかる範囲を全て調べること」から始めるのが基本となります。江戸時代まで遡りたい方も、平安時代まで挑戦したい方も、最初は明治時代までの戸籍を辿ることから始める必要があります。戸籍を家系図作り・ルーツ探しの基礎資料として、文献調査・現地調査・聞取り調査を進めていく方法が家系図作りの王道です。

1.戸籍を辿って家系図を作る方法

戸籍調査

  1. 【取る】役所から戸籍を取得する
  2. 【読む】取得した戸籍を読み込む
  3. 【書く】戸籍から得た情報を元に家系図を書く

上のとおり、昔の戸籍を辿って家系図を作るためには、全国に散らばって保管されている自分の戸籍を①集める、②読む、③家系図を書く、作業の繰り返しを行っていくことになります。家系図作りの第一歩である戸籍調査ですが、多少の技術と根気が必要な作業にはなります。それぞれの3つの作業の解説ページを順番にご紹介します。

1.【取る】役所から戸籍を取得する

戸籍の取得が家系図作りの第一歩です。自分の戸籍は取った経験がある方も多いと思いますが、古い戸籍まで取ったことがある方は少ないと思います。古い戸籍になると、戸籍を管理する役所が遠方になってしまうことも多いため、郵送で戸籍を請求していくことになります。以下の解説記事では、戸籍の請求の方法を詳しく解説しています。作業の際に実際に使える請求書(PDF)もダウンロードすることができますので、是非活用して取り組んでみてください。

「戸籍の取り方」の解説記事家系図の調べ方・戸籍の取り方をプロが詳しく解説します!

2.【読む】取得した戸籍を読み込む

1.で無事に戸籍が取得できたら、戸籍を読み込む作業に移ります。戸籍を取得する段階でもある程度は戸籍を読み込まないと、次の戸籍が請求できませんので、同時並行作業になります。ある程度の戸籍が揃ったと思っていても、改めて読み込んでみると取得漏れが見つかることもよくありますので、一つ一つ正確に読まなければいけません。戸籍は年式ごとに読むポイントが決まっていたり、効率よく読むコツも多くあります。家系図作りのための戸籍の読み方は特殊な部分も多いため、以下の解説記事で戸籍の読み方のポイントを勉強してみてください。

「戸籍の読み方」の解説記事改製原戸籍・除籍謄本の読み方を家系図のプロが徹底解説!

3.【書く】戸籍から得た情報を元に家系図を書く

全ての戸籍が揃ったら、いよいよ家系図を書く作業に移ります。戸籍を取得する段階で、ある程度メモのような家系図はできていると思いますが、それを基に見映えするきちんとした家系図を描画します。家系図の形式にルールはありませんので、自分の好みで自由に描いていただいて構いませんが、わかりやすい家系図にするためには一定のルールも必要です。以下の解説記事では家系図の書き方をビジュアルを用いてわかりやすく解説しています。参考にしながら作業を進めてみてください。

エクセルで家系図を作る方法もある

きちんとした家系図にしなくても、ひとまずエクセルファイル等で作っておきたいという方には以下の解説記事がオススメです。記事中では無料テンプレートも配布していますので、是非活用してみてください。

「エクセルで家系図を作る方法」の解説記事家系図をエクセルで作る方法を動画で解説!無料テンプレート付き!

[図解]戸籍から作った家系図

戸籍から作った家系図

上の3つの作業を完了させ、簡単な家系図を書けば戸籍調査は完了です。上の図は、直系先祖の戸籍を全て辿って家系図を描いた例です。厳密にいえば、必ず全ての家系の戸籍まで集める必要はないのですが、将来的に廃棄されたり天災などに遭って閲覧できなくなる可能性もゼロではないため、基本的に全ての家系を集めておくことをオススメしています。戸籍から家系図を作るだけでも多くのご先祖・名字が発見できますし、ある程度の発見もあると思います。これまでの作業だけでもかなり手間がかかりますが、この時点では全体の20%程度の進捗状況です

戸籍を取り終えたら文献調査へ!

戸籍はそもそも家系図のために作成されているわけではありませんので、ご先祖の名前や家族関係程度しか知ることができません。そこで戸籍の情報を基にして文献調査や現地調査を実施することで、戸籍調査で判明した「点」の情報をつなぎ合わせて「線」に、さらに情報に肉付けをすることで「家族の物語(ストーリー)」と呼べるほどの価値ある伝承物に変えていくことができます。

戸籍から先の調査は、戸籍からわかった家系(名字)の中から、特に深く調べてみたい1つの名字を選んでみることからはじまります。自分にとって一番馴染みのある「自分が名乗っている名字」か「かつての旧姓」から調べてみるケースがほとんどでしょう。

江戸時代のご先祖までは調べておこう

人の知的好奇心には終わりがないものですが、自分のルーツに関してわかることには限界があります。文献調査は戸籍調査に比べて手段も多様で、かつ不確実で終わりのない作業になりますが、“江戸時代のご先祖がどんな職業だったのか”程度であれば誰でも簡単に調べることができますので、最低限その程度までは調べておくことをオススメしています。

ご先祖の情報の“質”が全然違う!

江戸時代のご先祖まで調べておけば、家の伝承の伝わり方が大きく変わります。例えば、戸籍の情報だけだと「うちの先祖は〇〇という名前だった」などという情報だけですが、名前だけでは中々記憶に残りません。一方、江戸時代まで調べて「うちの先祖は江戸時代、〇〇の商売をしていた近江国の商人だった。戦国時代まで遡れば武士だった可能性が高い」などと聞いた方が、記憶に残りやすいことは明らかです。

本格的にルーツを調べてみると、これからの自分の人生に大きな影響を与えるような、歴史上の人物との関係や、江戸時代のご先祖様の職業がわかったり、知られざる家族の歴史を見つけることができるかもしれません。そういった意味で、家系図作り・ご先祖探しは“戸籍調査が終わってからがスタート”だといえます

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2.文献調査で家系を調べる方法

文献調査

戸籍以上に先祖のことを調べたい場合に、一番手軽なのが図書館等で行う文献調査です。私たちのような専門業者はある程度自前で書籍・文献を所蔵していることが多いですが、ルーツ探しに関する文献は高額なことが多いため一般の方が書籍を購入することは現実的ではありません。さらに、そもそも販売されていなかったり貸出されていない文献も多くあります。そのため基本的には図書館や資料館を活用しながら取り組むべきといえます。1日時間をとって自宅近くの大きい図書館に行って、関連する書籍を読んだり、コピーをとって家でゆっくり情報を咀嚼する等して調べてみて下さい。以下の記事では文献調査の調査対象やオススメの図書館について解説しています。

「文献調査」の解説記事図書館で自分のルーツ探し!文献調査の方法を詳しく解説!

3.現地調査で家系を調べる方法

現地調査

文献調査がある程度進んできたら、ルーツの場所へ現地調査の計画を立てます。ここでいう「ルーツの場所」とは、自分の祖先の「最古の本籍地」のことです。戸籍調査で自分を基点として全ての家系を調査した場合、自分の先祖の最古の本籍地も多く(平均8ヶ所程度)判明することになります。全ての場所に同時に行くことはできないため、まずは自分にとって一番思い入れのある家系(名字)のルーツの場所にまず出向いてみるべきです。現地調査は3種類の調査に分類できます。

  1. 現地の「もの」を調べること
  2. 現地の資料館等で「文献」を調べること
  3. 現地の「人」に聞取り調査をすること

の3種類です。せっかく先祖のゆかりの場所に行くわけですから、調査だけでなく、思い出作りや旅行も兼ねて楽しみながら進めたいところです。解説記事では現地調査のポイントを解説していますので、是非参考にしながらチャレンジしてみて下さい。

「現地調査」の解説記事現地に行ってご先祖探し!現地調査の方法を解説します!

名字をもとに家系を調べる方法

名字を調べる

文献調査や現地調査とは別に、「名字」をたよりに家系を調べる方法もあります。現地調査よりは手軽な方法です。名字を調べるためには、まず名字の歴史や由来を学ぶことが大切です。同時に、今の自分の名字がいつの時代の先祖から名乗っている名字なのか、という視点も重要になります。

「名字の歴史」の解説記事名字の歴史と由来。自分の名字はいつから始まったのか?

名字から先祖の職業を調べる方法

実は自分が名乗っている名字には必ず意味があり、由来があります。一部の特殊な名字を除いて、名字だけでは先祖の職業を知ることは困難ですが、他の情報と照らし合わせてみると、重要な発見があることもあります。自分の名字に関する情報が得られるだけで日常生活の会話の引き出しも増えるので、興味本位で一度調べてみるべきでしょう。以下の解説記事では貴族の名字の解説に加えて、10個の質問に回答して先祖が貴族だった確率が診断できる「貴族診断」を実装しています。今後の調査の目安にするためにも、一度診断してみることをオススメします。

「貴族の名字」の解説記事自分の名字を調べると昔の身分がわかる!?名家や貴族の名字とは。

自分の先祖が武士がどうか知りたい場合

「ウチの家は元々〇〇藩の武士の家系だった」「先祖は〇〇という大名の家臣だった」という言い伝えを聞いたことがあることも多いのではないでしょうか。そのような言い伝えが本当がどうか確かめたい!という理由でルーツ探しに取組む方も多いものです。以下の解説記事では武士の調査方法の解説に加えて、10個の質問に回答するだけで先祖が武士だった確率が診断できる「武士診断」を実装していますので、こちらも一度チャレンジしてみて下さい。

「武士の名字」の解説記事自分の先祖が武士なのか知りたい!場合の調べ方

家紋をもとに家系を調べる方法

家紋を調べる

家系図を作る上で必ず名字は辿ることになりますが、名字と同じくらい「家紋」も重要な情報です。自分の家紋がわからない方は、以下の記事で具体的な調べ方を解説していますので、取り組んでみて下さい。

「家紋の調べ方」の解説記事自分の家紋の調べ方。プロが調査方法を徹底解説!

家紋は他の情報との照らし合わせが大切!

注意したいことは、家紋単体の情報だけでは自分のルーツはわからないということです(推測はできます)。文献調査でその家紋の由来からまず調査してみて、同じ名字と家紋の組み合わせ、最古の本籍地に多い家紋、江戸時代の藩主・武士の家紋等と照らし合わせてみて、他の情報との共通点を探してみることが基本的な調べ方です。他の情報と照らし合わせて、何かの共通点を見出せれば家紋はご先祖探しの上で重要なヒントになることもあります。

自分の家の家紋には由来があり、その家紋である理由が必ずあるものです。家紋文化は平安時代から続く日本固有のもので、古来の日本の美・芸術が表れているとても貴重な存在です。家紋がいつから始まり、どういう歴史を辿ってきた存在なのか、家紋の歴史について学びたい方は、以下の解説記事も是非ご覧下さい。

「家紋の由来」の解説記事家紋の由来とは?そのルーツから現代までの歴史を解説します。

家系図作りのゴールはどこ?

中世の系図

では家系図作りのゴールはどこに設定したらいいのでしょうか。根気よくルーツ探しを進めていくと、稀に歴史上の重要人物が自分の先祖だとわかることがあります。重要人物であればあるほど、尊卑分脈や寛政重修諸家譜などの図書館に所蔵されている文献としての家系図に出自が合流する可能性が高まります。

自分の氏(ルーツ)の発見が最終的なゴール

その学術的な研究対象となるような家系図に合流することがあれば、文献調査によって自分の系統が源平藤橘(げんぺいとうきつ)と呼ばれる四大性、源氏・平氏・藤原氏・橘氏なのか、その他の氏なのか、古代氏族の流れなのか推測が立てられるようになります。その系統が何であるのか判明する可能性が高くなり、最終的には由緒正しい天皇家に行き着く可能性もあります。この氏(出自)の発見こそが最終的なゴールになります

「源平藤橘」の解説記事源平藤橘を5分でおさらい!あなたの名字は何氏の流れ?

ルーツ推測の例

  • 清和源氏武田氏族
  • 宇多源氏佐々木氏族
  • 桓武平氏三浦氏族
  • 藤原北家秀郷流佐藤氏族
  • 藤原南家工藤氏族
  • 物部姓弓削氏族 など

ここでは代表的なもののみ掲げましたが、細かい枝葉の家系まで含めると日本人のルーツと呼べるものは数百種類は存在します。私達は専門業者なので可能な限り深い時代まで調査・分析を行いますが、ここまでくると遠い昔(平安時代以前)…のことなので実感がわかない方も多いはずです。そのため自作で家系図に取組む場合は江戸時代まででも全く問題ないと思います。

情報の信憑性はどの程度?

ルーツ探しもここまでくると、推測も多く含まれることになります。家系図のような類のものは元々完璧に証明すること自体が困難なものですから、判明した事実と推測を区別し、推測の部分はしっかりと「根拠のある推測」になっているかを点検していく必要があります。

また歴史は学問・技術・研究の進歩によって書き換えられ続けるものですから、調べた成果をわかりやすい資料にまとめて子孫に託しておくことで、いつか子孫達がルーツの謎を解明してくれる!なんて可能性もゼロではありません。そういった意味では、家系図は家族の中のリレーのバトンのようなものとも考えられます。

ご先祖探しの本当の意義は、過去を遡って家柄を確認して一喜一憂することではありません。今の自分にいたるまでの家族の歴史や、先祖の生き方から何を学び、自分の今後の人生にどう活かすか、さらには自分の家族や子供にどう伝えていくか、が重要です

ルーツ探しは究極の自己研鑽なのだということを忘れないようにしましょう。

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困ったら家系図業者に依頼する方法も!

悩む男性

ここまでご覧いただくと、家系図作り・ご先祖探しがとても奥深いものだ!ということがご理解いただけたと思います。戸籍から作る家系図(戸籍調査)までであれば、ご自身で時間と手間をいとわなければできるはずですが、それ以上の文献調査や現地調査等は歴史の知識が必要で専門性が高く、十分な調査ができなかったり、途中でくじけてしまうケースも多いはずです。

そんな場合は家系図の専門業者に依頼する方法も検討してみて下さい。日本ではマイナーな分野と思われがちな家系図作成ですが、実は家系図業者は大小含め全国に数多く存在しています。

しかし、家系図作成を業者に依頼することは人生で1度あるかないかの重大事。費用も決して安くはありません。そのため最初はどの業者に依頼すればいいのかわからず混乱してしまう可能性も高いです。

以下の記事では、全国に数多ある家系図業者の選び方のコツについて解説しています。是非ご一読いただき、ご自身の業者選びの基準にしてみて下さい。

「家系図業者の選び方」の解説記事家系図作成代行業者の比較方法!依頼前に注意すべき4つのポイント!

まとめ

本記事では、自分で家系図を作る方法・解説記事を【総集編】としてご紹介させていただきました。皆さんの家系図作り・ご先祖探しの道しるべになれば幸いです。最後に家系図チェックシートでご自身の家系図作りの進行具合を確認してみて下さい!12個の質問に回答するだけで簡単にチェックできます!

家系図チェックシート

家系図チェックシート入門編

 

診断結果の見方

得点 コメント
81~100点

【上級者】家系図作りがここまで進んでいれば上級者といえます。残りの調査・情報の裏付けを進めながら家系図をわかりやすい形でまとめる作業も進めてみて下さい。

51~80点 【中級者】まだやるべきことは十分残っている状態ですが、ゴールに向けて順調に進んでいると考えてよいです。収集した情報の分析・理解が難しいと感じる場合は弊社が提供している専門サービスの活用も検討してみて下さい。
31~50点 【初級者】家系図作りはまだ始まったばかりの段階です。家系図作り・ご先祖探しは奥深く、長い道のりですので、今後の方針をしっかり立てて取り組むことを心掛けましょう。
30未満 【入門者】まだ家系図作り・ご先祖探しのスタート地点にいる状態です。まず家族・親戚からしっかりと話を聞いて、どの作業から始めるべきか検討しましょう。

あくまで簡単な診断にはなりますが、50点以上だった方はご先祖探しの中級者と考えて問題ありません。正しい方法で調査しているのでこの調子で引続き取り組んでいただければ大丈夫です。

最後に

このように、家系図作りは高度な技術や専門知識も多く求められるため、なんとしてもご自身で完結させたい方はしっかりと計画を立てて作業を進める必要があるといえます。自分でやり切れるかどうかは、知識の有無などよりも「楽しみながら取り組めるか」が最大のポイントになると思います。先祖探しを楽しみながら根気強く調べていけば、何よりの先祖供養でしょうし、きっと満足のいく結果もついてくるでしょう。

自分のルーツ探しは一見終わりがないようにも感じられる途方も無い作業の積み重ねですが、その苦労以上にやりがいや喜びも一層感じられるはずです。さらに自分の作った家系図が「家族の物語」として、自分亡き後も脈々と子孫に引き継がれるということもロマン・魅力の一つといえます。

こんな魅力たっぷりの家系図作り。
どなたでも是非一度チャレンジしてみることをオススメします。