「自分の家の家系図だから、なるべく自分の手で作ってみたい!」と家系図の作成を専門家に依頼せず、自分で作りたいと思われる方も多くいらっしゃることと思います。ゼロから家系図を作ろうとすると、多くの手間と時間がかかるため、私達のような専門業者を活用される方も増えています。

一方で、忙しく働かなくても収入が十分ある方、お仕事を定年退職された方、自分で作ることに“意義がある”と考えている方であれば、楽しい終活・ライフワークとしてのんびり家系図作りに取り組まれる方も増えていて、さらに若者の「自分探し」としても家系図作りは注目されています。

そんな方に向けて、この記事では多くの記事の<総集編>として、自分で家系図を作るために必要な知識が学べる記事をまとめてご紹介します。このページを目次代わりにお気に入り登録して、ご自身の作業を進めてみてください

自分の家系を調べる4つの方法

家系を調べる方法も様々なものがあります。大きく分類すると、4つの方法に分かれます。

  1. 戸籍を辿って家系図を作る(戸籍調査)
  2. 文献を調べて家系を調査する(文献調査)
  3. 現地に調査に行って家系を調査する(現地調査)
  4. 自分の家族や親戚に聞いてみる(聞き込み調査)

家系を調べる方法にも様々な手段があることがご理解いただけると思います。実はこの4つの他に、もっとも手軽な「自分の記憶を辿ってみる」という方法があります。記憶を辿ることは今日からできることですから、是非始めてみて下さい。誰にでも「我が家に伝わる言い伝え」の一つくらいはあるものです。昔におじいちゃん、おばあちゃんが教えてくれたことや、見せてもらったもの、家紋や名字の由来等の話を思い出して、メモに書き留めてみて下さい。そこからが家系図作りのスタートになります。

家系はどこまで辿れる?

どこまで辿れる?

自分の家系を調べるといっても、現実問題としてどこまで調べることができるのかは大変気になるところではないでしょうか。人間である限り、誰にしても太古のご先祖様がいるはずですから、縄文時代にも自分の先祖はいたはずですし、その先を辿るとすれば人類の起源といわれるアフリカ大陸がルーツということになってしまいます。

「自分は一体何者なのか」「自分はどこからきたのか」等、自分自身のルーツについて考えることはロマンがあります。しかし、自分のルーツをどんなに調べたとしても残存している資料の関係で中臣鎌足(藤原鎌足)が登場する大化の改新(645年)までが限界です。しかも、資料の信憑性の点からどうしても調査結果は推測や希望が混じったものにならざるを得ず、ハッキリとした根拠・証明を得ることは困難です。日本人の中で最も歴史が深いといわれる、126代続く天皇家でさえも1500年より前になると存在自体があいまいな神話の世界になってしまうわけですから、古くから続く由緒正しい家系の方はともかくとして一般人がそこまで正確に家系を辿ることは困難であり、辿れる限界についてもとても個人差がある!ということを理解しておきましょう。

遺伝子検査という方法も最近登場

「家系」ではなく「祖先」ということで考えると、遺伝子検査という方法も最近できるようになりました。唾液を採取し郵送することでDNAを検査してもらえるサービスです。科学的根拠に基づいて「ハプログループ」という遺伝子的な分類のうちのどのグループに属するのかを診断してもらえます。遺伝子検査では先祖の名前や生き様はわかりませんが、家系調査とは別のアプローチで、遥か昔の祖先のタイプを調べることができる方法ですので、興味がある方はチャレンジしてみてください。

家系を辿るステップを確認する

家系調査の方法 調査する時代 西暦
戸籍を辿る調査 幕末から現在まで 約1853-現在
江戸時代の実地・文献調査 江戸時代が中心 約1603-1868年
家系の流派を探す文献調査 平安~戦国時代 約700-1603年

このように、家系を調べるにもいくつかの段階があります。この段階で一番大きな違いは幕末まで辿ることができる「戸籍調査」とそれ以上の調査である「文献調査」「現地調査」「聞き込み調査」の違いです。戸籍制度は今では日本特有の国民管理の仕組みになっていますが、制度の歴史自体は実は古くからあり、これも始まったのは大化の改新(645年頃)の頃といわれていて「庚午年籍(こうごねんじゃく)」といわれる最初の全国的な戸籍が作られたのは670年頃です。

「戸籍の歴史」の解説記事戸籍制度の歴史とは?いつから始まったものなのか。

それでは自分の戸籍を辿っていけば、誰でもその時代まで先祖を遡れるのかというと、そんなことはありません。なぜなら、現代につながる戸籍制度ができたのが明治時代だったからです。上の関連記事を読んでいただければわかるとおり、長い歴史の中で戸籍制度が形骸化したり、使われなくなった時代もあったため、今と昔で途切れてしまっていることが原因です。

このことから、現代で一番確実に家系を辿ることができる方法は「戸籍調査」ということになります。戸籍調査で幕末まで先祖を辿ることができるだけでもかなりのご先祖がわかりますし、知らないこともたくさんわかるはずです。そのため自分の家系・ルーツを辿る上で、ひとまずのゴールにするべきは「戸籍でわかる範囲を全て調べること」であって、江戸時代まで遡りたい方も、平安時代まで挑戦したい方も、最初は戸籍を辿ることから始める必要があります。

関連記事戸籍を辿って作る家系図でどの時代まで調べることができるのか?

1.戸籍を辿って家系図を作る方法

戸籍調査

  1. 【取る】役所から戸籍を取得する
  2. 【読む】取得した戸籍を読み込む
  3. 【書く】戸籍から得た情報を元に家系図を書く

上のとおり、昔の戸籍を辿って家系図を作るためには、全国に散らばって保管されている自分の戸籍を①集める、②読む、③家系図を書く、作業の繰り返しを行っていくことになります。家系図作りの第一歩である戸籍調査ですが、多少の技術と根気が必要な作業になります。それぞれの3つの作業の解説ページを順番にご紹介します。

1.【取る】役所から戸籍を取得する

戸籍の取得が家系図作りの第一歩です。自分の戸籍は取った経験がある方も多いと思いますが、古い戸籍まで取ったことがある方は少ないと思います。古い戸籍になると、戸籍を管理する役所が遠方になってしまうことも多いため、郵送で戸籍を請求していくことになります。以下の解説記事では、戸籍の請求の方法を詳しく解説しています。作業の際に実際に使える請求書(PDF)もダウンロードすることができますので、是非活用して取り組んでみてください。

「戸籍の取り方」の解説記事家系図の調べ方・戸籍の取り方をプロが詳しく解説します!

2.【読む】取得した戸籍を読み込む

1.で無事に戸籍が取得できたら、戸籍を読み込む作業に移ります。戸籍を取得する段階でもある程度は戸籍を読み込まないと、次の戸籍が請求できませんので、同時並行作業になります。ある程度の戸籍が揃ったと思っていても、改めて読み込んでみると取得漏れが見つかることもよくありますので、一つ一つ正確に読まなければいけません。戸籍は年式ごとに読むポイントが決まっていたり、効率よく読むコツも多くあります。家系図作りのための戸籍の読み方は特殊な部分も多いため、以下の解説記事で戸籍の読み方のポイントを勉強してみてください。

「戸籍の読み方」の解説記事改製原戸籍・除籍謄本の読み方を家系図のプロが徹底解説!

3.【書く】戸籍から得た情報を元に家系図を書く

全ての戸籍が揃ったら、いよいよ家系図を書く作業に移ります。戸籍を取得する段階で、ある程度メモのような家系図はできていると思いますが、それを基に見映えするきちんとした家系図を描画します。家系図の形式にルールはありませんので、自分の好みで自由に描いていただいて構いませんが、わかりやすい家系図にするためには一定のルールも必要です。以下の解説記事では家系図の書き方をビジュアルを用いてわかりやすく解説しています。参考にしながら作業を進めてみてください。

「家系図の書き方」の解説記事美しい家系図の書き方・基本ルールをプロが徹底解説!

エクセルで家系図を作る方法もある

きちんとした家系図にしなくても、ひとまずエクセルファイル等で作っておきたいという方には以下の解説記事がオススメです。記事中では無料テンプレートも配布していますので、是非活用してみてください。

「エクセルで家系図を作る方法」の解説記事家系図をエクセルで作る方法を動画で解説!無料テンプレート付き!

戸籍調査が終わったら

上の3つの作業が完了したら、戸籍調査は完了ということになります。家系図だけではなく「家系譜」も作っておくのがオススメです。家系譜は図だけではなく、ご先祖の詳細な情報をわかりやすくした冊子のことで、家系譜まで作っておけば一家の伝承物としても価値のあるものになるはずです。

このまでの作業だけでもかなりの時間・手間がかかるため、達成感は得られるはずです。さらに先祖に関する“確実な”情報はここまでであることが多いため、ここでひとまず一区切りにする方が多いです

先祖をもっと調べたい場合は?

人の知的探究には終わりがないものですから、先祖のことをもっと調べたいと思うのは当然です。そんな方は、戸籍より先の調査にチャレンジしてみて下さい。戸籍調査に比べて手段も多様、かつ不確実で終わりのない作業なので、のんびりと自分のペースでライフワークにしてみると面白いと思います。

2.文献調査で家系を調べる方法

文献調査

戸籍以上に先祖のことを調べたい場合に、一番手軽なのが図書館等で行う文献調査です。私たちのような専門業者はある程度自前で書籍・文献を所蔵していることが多いですが、ルーツ探しに関する文献は高額なことが多いため一般の方が書籍を購入することは現実的ではありません。さらに、そもそも販売されていなかったり貸出されていない文献も多くあります。そのため基本的には図書館や資料館を活用しながら取り組むべきといえます。1日時間をとって自宅近くの大きい図書館に行って、関連する書籍を読んだり、コピーをとって家でゆっくり情報を咀嚼する等して調べてみて下さい。以下の記事では文献調査の調査対象やオススメの図書館について解説しています。

「文献調査」の解説記事図書館で自分のルーツ探し!文献調査の方法を詳しく解説!

3.現地調査で家系を調べる方法

現地調査

文献調査がある程度進んできたら、ルーツの場所へ現地調査の計画を立てます。ここでいう「ルーツの場所」とは、自分の祖先の「最古の本籍地」のことです。戸籍調査で自分を基点として全ての家系を調査した場合、自分の先祖の最古の本籍地も多く(平均8ヶ所程度)判明することになります。全ての場所に同時に行くことはできないため、まずは自分にとって一番思い入れのある家系(名字)のルーツの場所にまず出向いてみるべきです。現地調査は3種類の調査に分類できます。

  1. 現地の「もの」を調べること
  2. 現地の資料館等で「文献」を調べること
  3. 現地の「人」に聞き込み調査をすること

の3種類です。せっかく先祖のゆかりの場所に行くわけですから、調査だけでなく、思い出作りや旅行も兼ねて楽しみながら進めたいところです。解説記事では現地調査のポイントを解説していますので、是非参考にしながらチャレンジしてみて下さい。

「現地調査」の解説記事現地に行ってご先祖探し!現地調査の方法を解説します!

名字をもとに家系を調べる方法

名字を調べる

文献調査や現地調査とは別に、「名字」をたよりに家系を調べる方法もあります。現地調査よりは手軽な方法です。名字を調べるためには、まず名字の歴史や由来を学ぶことが大切です。

「名字の歴史」の解説記事名字の歴史と由来。自分の名字はいつから始まったのか?

名字から先祖の職業を調べる方法

実は自分が名乗っている名字には必ず意味があり、由来があります。一部の特殊な名字を除いて、名字だけでは先祖の職業を知ることは困難ですが、他の情報と照らし合わせてみると、重要な発見があることもあります。自分の名字に関する情報が得られるだけで日常生活の会話の引き出しも増えるので、興味本位で一度調べてみるべきでしょう。

「貴族の名字」の解説記事自分の名字を調べると昔の身分がわかる!?名家や貴族の名字とは。

家系調査・ルーツ探しの終着駅は

ルーツ探しの終着駅

ではルーツ探しの終着駅はどこに設定したらいいのでしょうか。根気よくルーツ探しを進めていくと、稀に歴史上の重要人物が自分の先祖だとわかることがあります。重要人物であればあるほど、尊卑分脈を代表とする図書館に所蔵されている文献としての家系図に家系が合流する可能性が高まります。

自分の「氏」の発見が最終的なゴール

その学術的な研究対象となるような家系図に合流することがあれば、文献調査によって自分の流派が源平藤橘(げんぺいとうきつ)と呼ばれる四大性、源氏・平氏・藤原氏・橘氏なのか、その他の氏なのか、その流派が何であるのか判明する可能性が高くなり、最終的には由緒正しい天皇家に行き着く可能性もあります。この「氏」の発見こそが最終的なゴールになります

「源平藤橘」の解説記事源平藤橘を5分でおさらい!あなたの名字は何氏の流れ?

情報の信憑性はどの程度?

ルーツ探しもここまでくると、かなり希望・推測も含まれることになります。江戸時代以前には家系を偽る者も多くいたため、全体的な情報の信憑性が低くなっているからです。ですが、必ずポジティブなイメージをもってルーツ探しを終了することは、とても大切なことです。

誰も証明できないわけですから、何を信じるかも自分次第。
自分が信じたいことをそのまま信じる方が幸せに過ごせますし、充実した人生を送ることができます。

思ったような成果が得られなかった場合でも、気にすることはありません。世の人のほとんどは自分のルーツやご先祖様のことを気に留めず生活しています。多くの時間を割いて一生懸命探してくれただけでも、ご先祖様はきっと喜んでくれるはずですし、何よりの先祖供養になっています

ルーツ探しの本当の意義は、過去を遡って家柄を確認して一喜一憂することではなく、今の自分にいたるまでの家族の歴史や、先祖の生き方から何を学び、自分の今後の人生にどう活かすか、さらには自分の家族や子供にどう伝えていくか、が重要です。つまりルーツ探しは究極の自己研鑽なのだということを忘れないようにしましょう。

自分で家系図を作る上での3つのポイント

専門家に依頼せずに自分で家系図を作る上でのポイントを紹介します。

1.楽しみながら進めること!

家系図作りは相当な期間がかかり、根気が必要な作業です。そのため楽しみながら進めていくことがとても大切なことです。以下の解説記事で、家系図作りを楽しむためのポイントをご紹介しているので、是非ご一読ください。

「家系図作りを楽しむコツ」の解説記事家系図作りがもっと楽しくなる!5つの大切な心構え!

2.つまずきそうなポイントを予めおさえておくこと!

家系図作りにチャレンジする方は多い一方、途中でくじけてしまう方が多いのも実情です。あらかじめ失敗しそうなポイントをおさえておくことは大切です。解説記事でまとめてありますので、一度読んでおくことをオススメします。

「家系図作りでよくある失敗」の解説記事自力で家系図を作る場合にやりがちな、5つの失敗と対策

3.自分のペースで気楽に取り組むこと!

家系図作りは時間がかかりますし、進めてみないとどこまで判明するかわからないものです。自分が期待していた結果が得られない可能性も相当あります。作業につまずいてしまったら、方針を転換して専門家の力を借りることも検討してみて下さい。専門業者を選ぶ際のポイントを解説記事で学ぶことができます。

「家系図業者の選び方」の解説記事家系図作成業者を選ぶ方法!依頼前に注意すべき4つのポイント!

まとめ

本記事では、自分で家系図を作る方法・解説記事をまとめてご紹介しました。皆さんの作業の道しるべになれば幸いです。最後に、家系図を作る意味とはどのようなものかを解説した記事をご紹介します。なんのために家系図を作るのか、気持ちを整理した上で取り組むことも大切ですので、是非ご一読ください。

「家系図を作る意味」の解説記事【決定版】家系図を作る本当の意味とは。それぞれの理由を見つける方法。

最後まで読んでいただきありがとうございました!
皆さんの家系図作りが満足いくものになるように、応援しています!