耳慣れない法律用語が理解を妨げている?!

「家系図」や「戸籍」と聞くと、どうも堅苦しいような難しいような、そんな敷居の高さを感じてしまいませんか? それは恐らく、耳慣れない用語のせいではないかと思います。ちなみに戸籍法が公布されたのは明治4年です。もちろん何度かの改正を経て今に至っているわけで、用語はより現代のものに変わってきているのですが、お堅い法律用語であることに違いありません。家系図を作る上で、戸籍を読み解くハードルを上げているのは、きっとこの用語の難しさがあるからでしょう。

もうひとつ、家系図に現れる親戚と自分との関係を表す言葉もまた難しいものです。曾祖父、大伯父、はとこって?正確にスッと答えられる人は意外と少ないのではないでしょうか。それはまたご紹介するとして、今回は厄介な戸籍の用語をご紹介してまいりましょう。

戸籍証明書申請のための基本用語

まずは役所で戸籍の証明書の交付をしてもらうために、申請書を書く際に「?」となってしまう基本用語のご紹介を。


・戸籍謄本(戸籍全部事項証明)と、戸籍抄本(戸籍個人事項証明)
「謄本」は戸籍に記載されているすべての人の証明で、「抄本」は記載されている個人の証明です。これを機に「謄本」と「抄本」の違いは覚えてしまいましょう。この呼称は正確には戸籍の原本が紙で保管されている役所で使われる用語ですが、コンピュータ化された後も慣用的に「謄本」と「抄本」という言葉は使われ続けています。

近年はコンピュータで管理する市区町村が増えており、電算化されていれば「戸籍全部事項証明」と「戸籍個人事項証明」と呼ばれています。こうなれば一目瞭然ですね。

・一部事項証明
電算化されている戸籍の記載事項の中で、必要としている事項だけについて証明するものです。

・現在戸籍
読んで字のごとく現在使用されている戸籍のことです。一般的に戸籍証明書を交付してもらうは、現在戸籍のコピーとなります。婚姻、養子縁組、離婚などで現在の戸籍から抜けると除籍となり、新しく作られた(編製された)戸籍や新しく入った戸籍が現在戸籍となります。

・除籍
これには二つの意味があります。ひとつは主に転籍などで戸籍の中にいる者全員が除かれた戸籍のこと。もうひとつは婚姻や死亡などで、個人が現在戸籍から除かれることも除籍と呼びます。

「除籍謄本」は全員が除籍となって誰もいない戸籍謄本のことで、転籍した結果のケースでは、元の市区町村役場に保存されています。

・筆頭者
戸籍の最初に名前が載っている者のことをいいます。夫の氏で婚姻届けを提出すると夫が筆頭者に、妻の氏だと妻が筆頭者になります。戸籍証明書を請求する際に必要な情報ですが、とりあえずそう覚えておけば、申請書を書く際に頭が真っ白にならずにすみます。世帯主は死亡すると変わりますが、筆頭者は変わらないということも覚えておきましょう。

家系図作成に便利な、古い用語

さてここからは、家系図作成のために知っておくといい用語や、古い制度での用語です。

・改製原戸籍
戸籍の記載方法が改正されるなどの事情で新しい体裁の戸籍が出来た際に、元の戸籍が「改製原戸籍」となります。主なものでは、昭和23年の戸籍法改正で元の戸籍なったのが「昭和改製原戸籍」、最近のコンピュータ化で役目を終えた戸籍を「平成改製原戸籍」と呼んでいます。

・編製
戸籍が新たに作られることです。婚姻の届出などが、その代表例となります。

・入籍
記者会見での「入籍しました!」は、婚姻によって編製された戸籍の夫と妻にそれぞれ「(前戸籍筆頭者)戸籍より入籍」と記載されていることからきています。が、入籍=(前戸籍からの)除籍であることもお忘れなく。除籍を伴わない入籍の代表例は、「出生」ということになります。

・戸主
昭和23年の戸籍法改正前は家を単位として戸籍が作られ、戸主はその家の代表者でした。ひとつの戸籍に一人の戸主が存在しており、「家督」と言われる統率権、扶養義務を持っていました。

・本家と分家
嫡男(最初の男子)家系によって継承されるのが「本家」であるのに対し、戸主の同意を得て新たな家を設立して戸籍を継承するのが「分家」です。

またまだ専門用語がたくさんありますが、その都度インターネットで検索してみるといいでしょう。

ただし、古い制度での用語については制度そのものを知らないと理解するのは難しいかもしれません。そういったことを知ることも、家系図を作って家族の歴史とルーツを探る一つの醍醐味として、楽しみながら家系図を作りましょう。