家系図を作成するのには、綿密な計画が必要

歴史の教科書やテレビの時代ドラマでよく目にする家系図や関係図は、せいぜい小さな定型紙を横に広げた中に収まる程度だと思います。

歴史の主人公である人物を中心に必要にして十分な家系の情報が記載されていれば、見る側にとってもそれでいいわけです。もし詳細な家系図を作ろうとすれば、縦横斜めに永遠の広がりを見せ、複雑さを極める上に労力と膨大な面積を要することになるでしょう。

もし興味が湧いて自分の家系図を作ってみようと思ったとして、さあそれでは家系図から何が知りたいのでしょうか。多くの場合それは自分のご先祖様がどんなところに生まれ育ちどんな暮らしをしていたのか、といったことだと思います。家系図を作成するのには綿密な計画が必要とされています。

そこで知っておきたいのが、家系図における直系(ちょっけい)と傍系(ぼうけい)という考え方。今回はその違いと、「尊属(そんぞく)」と「卑属(ひぞく)」についてご紹介していきましょう。

直系は親子の繋がり、傍系は枝や根のように縦横無尽

平昌冬季五輪直前のニュースで「北朝鮮の高官級代表団に正恩氏妹ら、金家"直系"の訪韓は初」という見出しが躍りました。たいへんいい例題だと思います。そう「直系」とは、父祖から子孫へと親子関係で続く一直線の系統のことをいうのです。つまり、遡れば両親、両親の親(祖父母)、祖父母の親(曾祖父母)……と続いて行くわけです。
自分より前の世代を見れば、家系図は綺麗に倍々と広がっていきます。自分が扇の要であると思えばわかりやすいでしょう。一方、子ども、孫、曾孫……と自分より後の世代へも広がってゆきます。下の世代は、子どもの人数などによって広がり方は様々だと思いますが、もし子どもがいなければ、直系はそこで途絶えることになるのです。

「傍系」とは同じ始祖を通じて繋がる系統のことをいいます。最も身近なところでいえば兄弟姉妹。親子関係ではないため直系ではなく、親が同じであることから傍系となります。さらに甥姪、伯父伯母(叔父叔母、従兄弟従姉妹)といった具合で広がっていくわけです。直系の家系図に傍系を加えただけで、たいへん複雑に見えてくると思います。たとえ直系が途絶えたとしても、傍系の家系図は時間とともにどんどん広がっていくことになります。

聞き慣れない「尊属」と「卑属」。尊属は父母・祖父母・曾祖父母、伯父伯母・叔父叔母といった、自分より前の世代全般を指します。

直系の場合は「直系尊属」で、傍系だと「傍系尊属」。卑属はその反対で自分より後の世代、つまり子ども、孫、曾孫、甥姪、従甥、従姪……がこれにあたり、直系の場合は「直系卑属」、傍系だと「傍系卑属」といいます。尊と卑は反対の意味を表す漢字、尊ぶことから目線を上に、卑しむことから目線を下にと覚えておきましょう。

ここで、兄弟姉妹・従兄弟従姉妹はどっち?という疑問が湧いてきます。正解は尊属でも卑属でもなく、ただ「傍系親族」としたり、あるいは「傍系同世代」としたりするようです。子だくさんで兄弟姉妹が多かった昔は、弟や妹より年上の子がいるという逆転現象でさぞや、ややこしかったことでしょう。

家系図作りは「直系から」がセオリー

直系・傍系、尊属・卑属の考え方を踏まえて、さあどんな家系図を作ったらよいのか、じっくり計画してみましょう。効率よく作るのであれば、最初に直系をしっかり調べて、それから傍系を広げるといいでしょう。

ごく一般的な話をすれば、冠婚葬祭や盆暮れの集まりで顔を合わせるのは、伯父伯母・叔父叔母・従兄弟・従姉妹・甥姪あたりまでではないでしょうか。そういった傍系の範囲は紙に書かずとも、家系図が頭の中で出来上がっているものです。

わざわざ家系図を作成しようというのは、意外な親戚の登場に胸躍らせたいからかも知れません。もし自分の知らない自分のルーツに期待を膨らませたいのであれば、ぜひ家系図を作ってその先を探ってみることをオススメします。