家系図作りは何といっても準備が大切!

家系図作りに興味がわいてくると、「家系図ってどうやって作るんだろう?」「自分でも作れるものなのかな?」と気になってきます。また、すでに家系図を作ることは決断していても、実際には何から手を付ければいいのかわからない!という方もいらっしゃることでしょう。

家系図作りは膨大な時間と作業が必要な、「自分の人生の一大プロジェクト」といえます。無計画にスタートを切ってしまうと、途中で挫折してしまったり、難しい局面にぶつかって先へ進めなくなってしまう!なんてことがあるかもしれません。つまり、取組む前の準備や心構えがとても大切なのです。

また、家系図を作る方法には「自分で作る」という方法と「家系図作成業者に依頼する」という2つの方法があります。自分で作るか業者に依頼するか、これを考える上でも、家系図作りがどのようなものなのか知らない限り、判断はしづらいものではないでしょうか。そこで、この記事ではスムーズに家系図作りをスタートするための下準備の方法をまとめてみました。

家系図作りでまず最初にやるべきことは?

家系図を作る時、一番最初にやっておくことはズバリ2つ、「作業の優先順位を決める」ことと「持っている情報を整理する」ことです。

作業の優先順位を決める

家系の調査は範囲を広げていくことで際限なく広がり、たくさんのご先祖様を見つけることができるようになります。そのため、最初から調べてわかる最大限の範囲のご先祖様をを全部調べたい!という方もいらっしゃることでしょう。もちろん、それはとても意欲的で素晴らしいことなのですが、 いささか最初からゴールを高く設定しすぎているかもしれません。コンパスを持たずに登山に出掛けるようなもので、道の途中で迷宮入りしてしまう可能性もあります。

そういう方は、まず小さなゴールを設定しましょう。自分の気持ちとしてはどの家系のどのあたりの時代のご先祖様を見つけることを優先するのか、ということを整理してみましょう。はじめての家系図作りの方は、「自分の名字の家系」が最もオススメです。1つの家系を調べ終わったら、母親の旧姓の家系と徐々に調べる範囲を広げていくのがモチベーション維持の秘訣になります。気になる時代やご先祖様に近づいていくときのワクワク感は、家系図作りの醍醐味になるに違いありません。

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持っている情報を整理する

「持っている情報」とは以下のような、自分の家族に関する一連の情報のことです。

  • 本籍地
  • 名字
  • 家紋
  • 先祖の職業
  • 菩提寺
  • 家の言い伝え
  • 家系図(すでにある場合)

すでにある情報を整理することで、これから何を調べなければいけないのかを明確にする目的があります。ここで大切なのは、家系図を作ろうと思っていることをまず家族に話してみること。家系図作りを通して家族と話すことは、作業を楽しむコツでもあります。

おじいさんやおばあさんがお元気であれば、家族の歴史に関する色々な情報を聞けるに違いありません。こういう直接話を聞ける人が身近にいることに感謝しながら、話をする時間を楽しみましょう!

こうして得られた情報や記憶を元に手書きで簡単な家系図を作ってみると、これからの作業のイメージが湧きやすくなります。さらに専用の家系図作成ノートを作り、家族の情報をまとめてみましょう。この段階では空白でわからない部分ばかりかもしれません。でも心配しないでください。むしろわからなかったことが家系調査によってわかっていく、ということも大きな魅力の一つなのですから。

家系図作りは急いだほうがいい?

冒頭でも触れましたが、家系図作りは早ければ早いほどいいものです。なぜ早く作った方がいいといえるのかについては以下の2つの理由があります。

身内の高齢者がお元気なうちに

自力で家系図を作る場合は、身内の証言がありがたいヒントになります。おじいさん・おばあさん・その兄弟といったご高齢の親族の記憶は宝物です。できるだけ早い段階で話を聞いておきたいものです。そして、調査を通じてわかった古い本籍地では現地調査も有効。土地の寺社や長老の話を聞くのも、早ければ早いほどいいのです。

古い戸籍は保存期間を過ぎると廃棄される?

もうひとつ、戸籍は役所で保存する期間が法律で定められています。現在は150年となっていますが平成22(2010)年までは80年でした。そのため昭和4(1929)年以前の除籍(戸籍の中の人が亡くなる・結婚する・養子縁組するなどの理由で誰もいなくなって閉じた戸籍のこと)は保存期間が過ぎて廃棄されていてもおかしくありません。実際には廃棄する役所は少なく、保存期間が延長した後に申請に応じて取得できるようになったケースの方が多いです。

いずれにしても保存期間を過ぎた除籍は役所の裁量で自由に破棄することができるわけですから、できるだけ早いうちに戸籍は集めておくことをオススメします。

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家系図作りは根気のいる作業。「焦らずじっくり」取り組んでいきたいところですが、あまりのんびりしていると貴重な情報源が失われていってしまいます。特に古い資料の収集は早めに取り組んでいきましょう。「思い立ったが吉日」「善は急げ」です。

家系図を作る上で事前に決めておきたいこと

「決めておきたいこと」というと「決めなければ始められないの?」と思うかもしれませんが、決める必要はありません。最終的に決めなければいけないことですので、作る過程で決めていけばいいことです。ただ、家系図の完成イメージを持つことで、作業の内容が変わってくることもあります。スムーズに家系図作りを進めていくためにも、これから紹介する部分のある程度のイメージ作りは必要だと思っていて下さい。

調査する家系(名字)の数について

家系図作りには終わりがありません。とても奥深いものなので、事前にある程度の目処を付けておかないと果てしなく続いてしまいます。古ければ古いほど調査は難解になっていって、時間や手間、出費もかさんできてしまうものです。なんとなくのイメージで“ここまで”というのを事前に考えておきたいものです。 

もし家族・親族の情報として「過去に著名な人物や家との接点があった」という話があって、その真偽を確かめたいというようなことであれば、その家系を調査する等、範囲が設定できそうだったら設定することにしましょう。

特に決めていない、決めることができない場合は、とりあえず自分の名字(1家系)を辿ることで始めてみて、物足りなさを感じれば少しずつ範囲を広げていく方法がオススメです。

どの時代まで掘り下げてゆくか

ここで簡単に戸籍に関する基礎知識をひとつ。過去に遡って私たちが取得できる最古の戸籍とは、明治19(1886)年頃に改製された、「明治19年式戸籍」となります。この戸籍には明治19年時点での情報が記載されているので、それ以前の情報、だいたい江戸時代末期までのできごとがわかります。このことを念頭に、掘り下げる深さを考えてみましょう。

また、それほど古い時代まで遡らなくても、自分から数えて3世代程度を遡れれば十分、というのであればその範囲内にとどめておくのもいいでしょう。

<戸籍で分かる範囲まで>
取得できる戸籍をすべて集めて判読し、幕末の頃のご先祖様までを調査します。
<戸籍以上に遡りたい>
上記の戸籍でわかる範囲までを同じように調査してから、それ以前の文献調査、さらには実地調査を行っていきます。いずれにしても戸籍で作る家系図は必要なのです。
公式な文書である戸籍の範囲を超えてしまっているため、文献は郷土史・過去帳・宗門人別帳・墓誌・分限帳・検地帳といった古文書となり、専門知識が無い中で解読するのは困難です。

現地調査では資料館・寺社・本家・遠縁の親戚・墓地といったところでの聞き取り、資料収集、撮影という作業が必要になってきます。誠意のある姿勢で望まないと警戒されたり、拒絶されることがあるため、慎重に進めてゆかなければなりません。

戸籍で判明する以上に遡って調べたいのであれば、漠然と知りたいというだけではなく、例えば先祖の職業は何だったのか、歴史上の人物との関わりはどうだったのか、自分の名字の由来はどこにあるのかといったようなテーマや目的を絞り込んで調査することをおすすめします。

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家系とは何?

ここで「そもそも家系って何?」というお話をしたいと思います。

家系とは読んで字のごとく「家の系譜」ということになります。「家」とは家族の単位。戦前までは戸籍も家を単位として書かれていました。家長は家の跡取りを決め、嫁を取って家を継いでいき、跡取りとならなかった子は他の家に養子に入ったり、本家から分家を行い、独立して家を継承していきました。 

「家系図」と一般的に言われているものは実は定義があいまいで、正確に言えば「親族図」の意味合いも含んでいます。本来の家系図とは本家の家系のみを表した図ということになります。現代には家制度もないため、親族を含めた家族の系図を「家系図」として呼んでいます。基礎知識を踏まえて、調べる家系について検討してみましょう。

自分の名字の家系だけを調べる

これは「一家系」の家系図ということになり、本来の意味での家系図ということになります。最もシンプルな調査で最低限調べておきたい思う方が多いです。ところが自分の名字の家系だけを調べてもあまり新しい発見が得られる可能性は少なく、物足りなさを感じてしまうかもしれません。

やはり家系図を作るからには、自分のルーツを深く知りたいと思うことでしょう。そんな方にオススメなのが「4家系」の調査です。自分からみたおじいちゃんとおばあちゃん、つまり4人の祖父母の家系をそれぞれ調べていく調査になります。

自分の直系の先祖をすべて調べる

<戸籍法 第10条1項>
戸籍に記載されている者(その戸籍から除かれた者(その者に係る全部の記載が市町村長の過誤によつてされたものであつて、当該記載が第二十四条第二項の規定によつて訂正された場合におけるその者を除く。)を含む。)又はその配偶者、直系尊属若しくは直系卑属は、その戸籍の謄本若しくは抄本又は戸籍に記載した事項に関する証明書(以下「戸籍謄本等」という。)の交付の請求をすることができる。

戸籍法第10条1項に書いてある通り、戸籍の交付を請求できる人は限られています。それは「直系尊属(父・祖父・曽祖父…)または直系卑属(子・孫・曽孫…)でかつ血族(血縁関係がある)の者と配偶者」です。その他の直系ではない傍系親族の戸籍については、自分の権利として請求することはできないため、その親族の家系の方から委任状をもらって請求することになります。

自分のご先祖様は遡るにつれ枝分かれして増えていきます。個人差はあるものの平均して8家系程度が交わって自分が存在していると考えられるでしょう。その直系の8家系(4人のひいおじいさん+4人のひいおばあさん)を含め、戸籍で判明するご先祖様全てを調査するのが「全家系」調査です。

戦前の戸籍には「家」単位でたくさんの家族が同じ戸籍に入っていました。そのため、直系先祖の戸籍を取得する過程でその兄弟等の情報も自然と得られるようになります。結果的に家系図はかなりのボリュームになり、多いケースだと300人程度の先祖・親族が判明することもあります。意外な先祖のゆかりの場所がわかることも多く、このあたりが家系調査の醍醐味となってゆくわけです。

せっかく家系図作りに取り組むのであれば最終的なゴールは「全家系調査」にしておきたいものです。でも、それでは目標が高過ぎると感じるでしょう。そこで、まず「一家系」を調査対象として調査を行い、目処がついてから他の家系も調べていく方が取り組みやすいものです。とにかく途中で挫折してしまわないように目標は徐々に上げていく、というのが家系図作りの理想的な取組み方なのです。

家系図を作る上で気をつけたい個人情報

個人情報の保護

家系図を作る前に肝に命じておかなければならない注意事項として、「個人情報の保護」があります。

平成17(2005)年に個人情報保護法が施行されて以降、官公庁や企業はもちろん個人においても個人情報の取り扱いに対する関心が高くなり、保護を強化する動きが当たり前になりました。戸籍に記載されている一つ一つの内容は「機微情報」といって高度な個人情報です。家系図を作る上で取得した戸籍の情報は慎重の上に慎重を重ねて扱われるべきものであることを忘れてはなりません。

家族への説明

家系図を作ろうと思った時、まず最初に家族に相談することになると思います。先祖や家系に関するいい情報を聞き出すことができるでしょうし、協力的に動いてくれることも期待できるのではないでしょうか。そのためにも相談する際には「個人情報の扱い」についてしっかりとした方針を説明できないといけません。

亡くなった先祖の個人情報

個人情報保護法で保護されているのは生存者の情報とされています。だからといって、亡くなられた先祖や親族の情報を軽んじてはいけません。その情報が存命中の親族に対して影響を与えているようなものであるケースもあります。さらに、身内にとっては他人に知られたくないであろう出来事もあるかもしれません。亡くなられている先祖の情報も十分慎重に取り扱いましょう。

他人に情報を開示するケース

家系図を他人に見せる可能性があれば、必ず家族にその旨了承を得ておきましょう。家計調査の段階で古い本籍地の実地調査をする場合、菩提寺の住職や本家筋、遠縁の親戚などに仮の家系図を見せて説明することもあると思います。でも、そこは慎重に。信用してもらうためとは言え、むやみに家系図や収集した資料を公開しないようにしましょう。どうしても見せなければならない場面があっても、複製や写真撮影などはお断りした方が無難です。

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家系図作成業者に依頼するメリット

ここまでは主に、ご自分で家系図を作るという前提で話を進めてきました。各地の役所から戸籍を取り寄せ、読み解いてゆけばそれまで知らなかった家族の歴史も紐解かれていきます。それはとてもワクワクする瞬間。それこそが家系図作りの醍醐味と言っていいでしょう。自力で作成するわけですから費用をぐっと抑えられたり、自由な発想で気軽に作れたりできるのもメリットです。

その代わり、家系の調査には想像を超えた手間と時間を要します。古い戸籍や古文書の解読には専門的な知識と技術が必要になるでしょう。こうしたことから家系図作成業者に依頼して作ってもらおうと考える方が多くなってきています。このページを読んで「自力で作成するのは大変そうだから家系図作成業者にお任せしようかな」と考える方もいらっしゃるかもしれません。そこで、家系図作成業者に依頼するメリットをご紹介しましょう。

<家系図作成業者に依頼するメリット一覧>

項目 内容
高い正確性 戸籍や古い資料の判読に専門的知識があり正確に読み解くことができる
多彩な納品物 出来上がった家系図のデザインも豊富に用意され、系譜・デジタルデータ・年表といった形態にも対応
迅速な対応 高い専門性と技術があるため作業が効率的
個人情報保護 プライバシーマーク等、個人情報の管理体制について認証を取得している業者であれば安心
アフターフォロー 家系図の修正や追加調査による追記にも対応

まとめ

家系図作りの準備のポイントをご紹介してまいりました。いかがでしたでしょうか。すぐにでも取りかかりたいと思う一方、行うことが多くきちんとした準備が必要であることもご理解いただけたことと思います。

日常的に家系図作成のために割ける時間と手間、そして費用などを基にしっかり考えて第一歩を踏み出しましょう。いい業者選びも鍵となりますが、家系図作成業者に依頼することも検討してみてはいかがでしょうか。