家系図を作る場合には、まず戸籍をさかのぼって調べることから始まります。 その戸籍自体がいつか捨てられてしまうのか?ということについて解説していきます。

家系図を作る場合に必要となる戸籍の確認から

家系図を作るためには、戸籍を取り寄せることによって、そこに書かれている情報を元に家系を把握し、図を作って当てはめていきます。

この作業は専門家を頼らずに自分で作り上げる場合、初めての方にとっては非常に厄介な物となる場合があります。 別記事でも詳しく説明しますが、改製原戸籍という大昔の戸籍を読み込まなくてはいけないためです。

戸籍見本

これらの改製原戸籍は、現代のようにパソコンがない時代のものがほとんどのため、当然のことながら手書きで書かれているものが多いです。

手書きの上に旧漢字まで入ってくるので、慣れない方にとっては解読が困難だと言えます。 実際のケースとして、家系図作りの作業を自分でやろうと思い立って、先祖の戸籍を全て取り寄せた方もいらっしゃいます。 もちろん、今まで家系図を作った経験はない方です。

その時、この改正原戸籍を見て、ビックリしたそうです。 手書きで、決められた枠の中にびっしりと必要な情報が書かれている欄もあるわけですが、それも手書きで書いたものをコピーしているので、文字が滲んで見えるのです。

そのくらい昔の物も取り寄せることになるということを覚えておいて損はないと言えるでしょう。 (ちなみに、その知人は旧漢字を全て調べあげ、努力の末に自分で作り上げたそうです。ただし、二度と作りたくないと言っていたのは事実です。)

古い戸籍が捨てられてしまうことはある?

結論からいうと、あります。戸籍というのは、永久に役所などに保管されているわけではなく、一定の期間を過ぎれば処分されてしまうので、保存期間は法律で定められています。 どうして自分の先祖の情報や、自分の情報を処分してしまうのか?と思われた方もいらっしゃるとは思いますが、そもそも家系というのは、子どもが生まれて、代々繋がっていくものですし、婚姻などによって新しく戸籍が出来る場合もあります。

このように、どんどん戸籍は新しく編製されていきます。 それをいつまでも保管していれば、膨大な量になってしまうのは目に見えています。 その為、法律によって定めが設けられましたが、平成22年の6月1日に取り扱いの変更が行われました。

この変更前までは保存期間が80年でしたが、現在は150年となっています。 ですので、今からさかのぼると、明治の前である慶応3年(翌年が明治元年)となりますので、かなり昔までさかのぼって情報を得ることができます。 明治時代

また、この保存されている期限を過ぎた場合については、請求することができなくなります。 いつまでも、請求しないままにしていれば、いずれ捨てられてしまうわけですから、その前に請求して、今すぐには作成しないけど、手元に置くという手もあるのではないでしょうか?

戸籍と住民票は違うもの?

戸籍は住民票とは違うもので、取得の請求をする役所や係も違います。よく、皆さん「戸籍謄本」という物を聞いたことがあるのではないでしょうか?

日常生活では、普段からあまり戸籍謄本が必要となる場合は少ないでしょうから、 まだ自分の戸籍謄本を取ったことがないという方もいらっしゃると思います。

住民票は、普段から必要となって取られる方も多くいらっしゃるでしょう。 皆さんもご存知の通り、自分が住んでいる住所を記載している書類です。

では、戸籍はどうなのかということになりますが、住民票と戸籍の住所が違う人は、かなり多くいらっしゃいます。 簡単にいうと、戸籍は本籍地を定めた住所のようなものだと想像していただければ良いでしょう。

また、戸籍がないという人はいるのでしょうか?

近年テレビなどでも持ち上げられている戸籍がない子どもたちについても、少し触れておきましょう。

戸籍を持てなかった理由としては、様々あるようですが、深刻なケースとして考えられているのが、DV、つまり暴力などが背景にあるケースです。

例えば、夫に暴力を振るわれていた妻が、命からがら逃げ出し、行政の保護をされ、離婚が成立していない時に、他の男性と知り合い妊娠したケースがあります。

この場合も、元々婚姻届を提出している夫が、戸籍上の夫ですので、いくら新しい人と出会って、その人の子供だったとしても、受理されないという問題が起きます。

結果的にその子供は戸籍がない無戸籍という状態になってしまいます。

またDVをしていた夫から子供を守りたいという意味で、無戸籍になっているという、辛いケースもあるようです。

DV

実は、このような無戸籍になるケースは全国的にも多くあり、法務省もこの問題の改善に取り組んでいます。

実際問題、DVという問題を抱えていたりする場合は、 夫が離婚を承諾しない場合もありますから、いくら決まりごとだとは言えど、 DNA鑑定などを行い、新しく出会った実の父の子として戸籍を持たせても良いのでは というのが本音ではありますが、 実際にはこのような柔軟な対応は現在できないのが現実です。

個人的には、DVをするような人は犯罪者だという認識しかありませんが、これも中々現実と、行政側が対応しきれていない分野なのかもしれないと思う所が居た堪れない思いです。

となると、実際に家系図を作る際にも、昔のことも調べるわけですから、実際には家系図に入れるべき人が、戸籍に載っていないということも考えられるのではないかと思います。

家系図を作ることは、戸籍を保存する意味もある

現代では現代の問題がありますが、昔も昔なりの問題があった可能性があります。 ですので、代々、家系図を管理してきたような家系であれば、全てのことがわかる可能性が高まるかもしれません。

一概には言えませんが、戸籍はいずれ処分されてしまう可能性もありますので、自分の先祖のことを何も知らないという人であれば、戸籍を一度取り寄せて保管しておくというだけでもとても意味のあることだと思います。これは今のうちにやっておいて損はないといえます。