はじめに

家系図を持っている人の割合は何%?

家系図

家系図とは、その家のご先祖様や、代々つながってきた“家”を中心としたその一族とその関係性などを表している図や表のことです。

  • 歴史上著名な武家の家として代々伝わる家系
  • 先祖代々続いている家業がある家
  • 古くから続く由緒正しい家柄(旧家)

上のような家の場合、すでに代々受け継がれている家系図があるケースが多いといえます。きちんとした家系図が家にある家庭は5%以下というアンケート結果もあります。家系図というものは一般的に知られているものでも、ほとんどの家に家系図がないのが現実のようです。

家系図がない場合は、当然ゼロから自分で作るしかありません。

家系図を調べる方法とは

家系図をゼロから作る場合にまずやることは、探偵のように聞込み捜査をしたり、一族のお墓に刻まれた文字を解読したりすることではありません。日本には『戸籍』という国民を管理するための制度があって、その戸籍を調べることによって、精度の高い家系図を作ることができるというわけなのです。実はこの戸籍を調べることによって家系図が作れることを知っている人も少ないです。

日本の戸籍に登載されていることは日本人であることの証明にもなっているため、外国人には戸籍で辿る家系図は作れませんが、日本人であれば誰でも家系図は作れることになります。家系図が誰にでも作れる!とわかると次になるのは、「その戸籍を辿っていくことによって一体どれほど昔の先祖まで調べる事ができるのだろうか?」という部分ではないでしょうか。

この記事では、戸籍によって遡れる時代、実際の戸籍の取り方・調べ方について解説します。

戸籍でどこまで調べる事ができるのか

大正時代

戸籍でどこまで調べることができるのかを知るためには、戸籍制度がいつ始まったのかを知らなくてはいけません。戸籍制度の歴史は長く、飛鳥時代に最初の全国的な戸籍が作られました。

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現在まで続く戸籍制度の始まりは、明治5年の『壬申戸籍』と呼ばれる戸籍でした。しかしこの戸籍は、江戸時代から明治にかけての制度の移行の中で、初めて作られた戸籍だったために様々な問題があり、現在は閉鎖されています。

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今取得できる最も古い戸籍は?

現在閲覧取得できる戸籍の最も古いものは、明治19年の戸籍です。明治19年の戸籍には、その当時までの家族の出来事が記載されていることになるため、最後まで辿ったとすれば戸籍から江戸時代末期までのことがわかることになります。

 その戸籍についてですが、2010年より前までは、閉鎖された戸籍(除籍謄本・改製原戸籍)の保存の期間が80年とされていました。そして、2010年の戸籍法施行規則の改正によって150年間保管するようにと延長されています。2010年以前の戸籍については、80年となっており、現在に比べて70年もの保管期間に差がありますので、法律が変わる間に処分されてしまっている可能性もあります。そのため、家系によっても、ギリギリ残されていたという場合もあるでしょうし、すでに処分されていてなかったという場合も出てきます。

 現代とは違い、昔の戦前の戸籍は「家」単位でまとめられているため、1つの戸籍に対して父・母・子・孫というように3世代以上の何人もが記載されていることになります。

 その中に記載されている方々が、亡くなって家督相続が発生したり、分家したり、またはお嫁に出たり養子に出たりする事によって全員いなくなった場合は、除籍謄本として役所に資料として残される事になります。

 この除籍謄本に関しても、以前は80年間の保存期間だったわけですから、除籍謄本となったのが、1925年(大正14年)であるのならば、そこから80年後である2005年には廃棄されてしまっている可能性もあるというわけなのです。

では戸籍の保存期間が過ぎていた場合は家系図作りを諦めなければいけないのでしょうか。

戸籍が廃棄されているとは限らない

実は、この80年と言う保存期間を過ぎていたとしても、案外残されていることが多いものです。戸籍を廃棄するかどうかの判断を各自治体にまかせていた為、実際には保存期間を過ぎていても廃棄処分されていないというケースが多かったのです。 

そのため、2010年の改正までに80年過ぎているからといっても、決して諦める必要はありません。廃棄されていない前提で、その保管されている役場に戸籍取得の請求をしてみるべきでしょう。特に、都市部ではなく地方に戸籍がある場合については、かなりの確率で残されているといわれています。

 また、戸籍に記載されている情報は、家系図を作る時に必須な材料となるわけですが、もし戸籍自体が廃棄がされてしまっている場合についても、そこまでガッカリする必要はありません。

 2010年に改正されたと言う事は、その時点で80年前と言うと、1931年(昭和6年)あたりの事を指します。

 『幕末』は、1853年黒船が来航し、翌年の1854年にまた二度目の黒船が来たその年に、日米和親条約が結ばれている為、この辺りが幕末だと定義されています。

 もし、上記の1931年(昭和6年)の時点で、70歳前後である場合は、幕末のお生まれという事になるので、戸籍を確認すれば、そのご両親の名前を確認する事が可能となります。戸籍には、登載されている本人だけではなく、その方の父母の名前まで載っているからです。そのため、戸籍が廃棄されている場合でも、割と昔まで遡る事ができる可能性があるというわけなのです。

 このようなことから、戸籍の保存状況については、ご先祖様がその時何歳だったのか?その当時除籍になっているのかなど、その家系の様々な事情によって、どうしても差が出てきます。また、戦災や災害などによって戸籍が消失していることもありますが、これもまず戸籍を請求してみないとわからないことですので、まず請求を始めてみるべきでしょう。

家系図作りは急いだ方がいい?

家系図に興味を持って、そのうち作ってみようかと感じた方もいると思います。しかし、今家系図作りを始めた場合と、数年後に始めた場合では、同じように家系図が作れなくなってしまうかもしれません。それには2つの理由があります。 

1.戸籍の保存状況の変化

戸籍を役場が間違って廃棄してしまう可能性もゼロではありません。さらに政府の方針で戸籍が閲覧できなくなったり、保存期間が変更になったりする可能性もあります。戸籍が確認できなくなる前に、家系図を作りたいとお考えの方については、自分が取れる範囲の明治までの戸籍を今のうちに全て早めにとっておくことがとても重要になります。 

2.生存している人の変化

家系図を作ったことをキッカケに、昔の家族のことを自分の両親や祖父母に話を聞こうと思っても、その時にもうお亡くなりになっていた、ということでは貴重な話を聞くことができなくなってしまいます。特に戦時中の話等は、あと数年もすれば、直接話を聞ける人が激減してしまうことになります。

 このような理由から、家系図を作るのは早ければ早い方がよいといえるのです。

 戸籍以外にも家族の中で資料を残してくれていたら、それは家系図作りをするにあたって大切な情報源となり、詳しい情報がもっと記載できることになりますが、そのような資料が残っている家は多くはありません。仮に戸籍にしか先祖に関する情報がなく、その戸籍も廃棄されてしまっていた場合は、ご先祖様が歴史の中に永久に埋もれてしまうことにもなってしまいます。

家系図作りには手間と時間がかかりますので、お仕事が忙しい方は、すぐにとりかかるのは難しい場合もあると思います。でもそんな場合でも、今からやっておくべきことがあります。

戸籍は廃棄される前に取得し保管しておく

本棚

まずは、その戸籍を廃棄される前に取っておく事が大切なのです。 

戸籍を全て取得するにも、ある程度戸籍の解読をしなければなりませんが、戸籍さえ取っておけば、誤って捨ててしまわない限り、先祖に関する資料として半永久的に残す事ができます。

 戸籍を全て取るためには、ある程度戸籍が読めないといけません。家系図をご自身で作られる予定の方は、昔の手書きの戸籍の解読が難しく、時間がかかってしまう場合もあります。その戸籍の解読が面倒であるから作業を先延ばしにされる方もいらっしゃるかもしれません。その先送りにした結果、結局先祖を辿れなくなってしまった、という事になっては非常に残念です。少しでもスムーズに始められるように、次に具体的な戸籍の取り方や調べ方を解説します。

戸籍の調べ方

 どれだけの範囲の戸籍を取ることができるの?

<戸籍法 第10条>
(1)戸籍に記載されている者(その戸籍から除かれた者(その者に係る全部の記載が市町村長の過誤によつてされたものであつて、当該記載が第二十四条第二項の規定によつて訂正された場合におけるその者を除く。)を含む。)又はその配偶者、直系尊属若しくは直系卑属は、その戸籍の謄本若しくは抄本又は戸籍に記載した事項に関する証明書(以下「戸籍謄本等」という。)の交付の請求をすることができる。
(2)市町村長は、前項の請求が不当な目的によることが明らかなときは、これを拒むことができる。
(3)第一項の請求をしようとする者は、郵便その他の法務省令で定める方法により、戸籍謄本等の送付を求めることができる。

戸籍法に定められているとおり、自分の直系の先祖(または子孫)まで調べることができます。ただ、自分の直系の先祖を調べる過程で、直系の先祖と同じ戸籍の中に入っているご先祖様も知ることができます。若い方ほど直系の先祖の範囲も広がることになるため、若い方ほど広い範囲で戸籍と先祖を調べられることになります。

 戸籍の取り方

戸籍が取れる場所は「本籍地」の役場

戸籍は住民票と違って、家の近くの役場で取ることはできません。自分の戸籍は『本籍地』を管轄する自治体の役場に保管されているからです。本籍地がわからない場合は、住民票を本籍地の記載付きで発行してもらうことで、自分の本籍地がわかります。その本籍地を戸籍の請求書に書くことになります。

 窓口か郵送で取ることができる

自分の本籍地が最寄りの場合は、戸籍を窓口で請求する方がスムーズです。窓口の方が細かい説明ができるので、請求しやすく、手数料も直接現金で支払うことができます。本籍地が遠方の場合は、郵送で請求することができるので、郵送請求がおすすめです。手数料は定額小為替で支払うことになります。郵送請求の方法は、インターネットで「〇〇市 戸籍 郵送」と検索することで、知ることができます。大抵の場合、役場のホームページから戸籍の請求書もダウンロードできるようになっています。

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 戸籍の請求理由

戸籍の請求書を書くときに、何と書いたらいいのか迷ってしまうのが戸籍の請求理由です。正直に『家系図作成』と書いていいものかどうか、違う理由の方がいいのか、わからない方も多いと思います。戸籍の請求書に虚偽の請求理由を書いてはいけませんので、正直に『〇〇の家系図作成のため』と書きましょう。

実は家系図の作成をする方は日本中にたくさんいます。戸籍法に戸籍を請求することができる範囲は明確にされていますし、役場の戸籍担当者も、家系図作成のために戸籍を取る場合があることはわかっているはずなので、請求理由は正直に記載しても心配はいりません。

 取った戸籍を読む

戸籍を取ることができたら、その戸籍を読み込んでメモ程度の家系図を書いてみましょう。メモにすることで、今自分がどの程度の範囲の戸籍を取れているのかがビジュアルでわかります。明治19年の戸籍まで取れていれば完了です。その前までしか取れていない場合は、それ以上戸籍を辿れないかどうか、必ず確認するようにして下さい。戸籍の取り漏れがあると、永久にそのご先祖様は歴史に埋もれてしまうことになってしまいますので、気をつけましょう。

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 次の戸籍を取る

まだ取れていない戸籍があれば、同じ方法で次の戸籍の請求をしましょう。自分と生きた時代が離れたご先祖の戸籍や、自分と違う本籍地の役場に戸籍を請求する場合は、『自分と直系の先祖の関係性を示す戸籍のコピー』を提示しなければいけません。そういった意味では、古い戸籍ほど、取るのは難しくなってきます。しかし戸籍の取得は同じ作業の繰り返しです。一度コツをつかめば、スムーズに進めることができるようになるはずです。

上でもふれたように、戸籍の取り漏れだけは気をつけなければいけません。自信がない場合は、家系図作成業者の活用も検討してみて下さい。

戸籍の情報だけでも様々な発見がある

昔の戸籍は“家”単位で編成されていたため、たくさんの方々が掲載されているケースが多くあり、除籍となって✕印がついていたとしても、塗りつぶされているわけではありませんから、こんな先祖もいたのか。という新たな発見をする事もできます。

皆さんは、自分が生まれてくる前の代々引継がれてきたその家系について、過去にどのような人がいたのかと思いをめぐらしたことも一度はあるのではないかと思います。家系図を作る事によって、自分の家族の歴史に関する多くのことがわかります。

自分が生まれる前までの血の繋がりや、養子縁組によって、家族が増えているなど、戸籍には書かれている事が多くあるためです。もし、少しでも興味があり、あなたのお宅に家系図がまだないと言う事でしたら、是非とも一度ご先祖様などの戸籍を取得し、新しい発見をしてみてはいかがでしょうか。ご先祖様を知る事によって、自分を新たに知ると言う事にも繋がるかもしれません。

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