家系図作成の最大の注意点は「個人情報の取扱い」

もしあなたが家系図を自分で調べて作ろうと思った時、もっとも注意すべき点が何であるかご存知でしょうか?

タイトルに答えが出てしまっていますが、そう、「個人情報の取扱い」です。家族や親戚であっても個人情報は守るべきもの。慎重の上にも慎重を重ねて取扱わなければなりません。

作成する過程でもそうですが、特に注意しなければならないのが作った後のこと。といったことから今回は、個人情報の取扱いに関して注意しなければならないポイントについて考えていきましょう。

家系図を作るのには、市区町村に保存されている戸籍を辿っていくことになります。戸籍とは国民の身分情報が載っている台帳のこと。ここに記載されている本籍・出生事項・結婚・養子縁組といった内容は「機微情報」といわれる高度な個人情報とされています。家系図作りのプロである専門業者も、個人情報の漏洩があっては事業が立ち行かなくなってしまう事態に発展することもあり、細心の注意を払って取扱っています。

亡くなった方は個人情報保護対象外だが要注意

個人情報保護への意識が高まって、企業や自治体・団体などが厳格に取扱うようになったきっかけは、平成17(2005)年に施行された個人情報保護法に因ります。ちなみに、個人情報保護法が規定する「個人情報」とは「生存する個人に関する情報」とされているのをご存知でしょうか。つまり「既に亡くなった方の情報」は保護の対象になっていません。まずはこの点を頭に入れておいて、注意すべきポイントを整理していきましょう。

ポイント①~家族から家系図作成の理解を得よう

家系図を作ろうと決心したら、行動を起こす前にまず家族にその意思を伝えましょう。なぜ家系図を作ろうと思ったのか、なぜこのタイミングで、個人情報の管理はどうするといったことなど、自分の考えをしっかり整理して家族の理解を得てください。その上で家系図を共有することが理想的です。

そうすれば、家族から家系に関する情報を教えてもらえたり、先祖から受け継いでいる資料なども見せたりしてくれることでしょう。家族から得られる情報で、家系図作りも効率的に取組むことができるに違いありません。

ポイント②~先祖・親族に関する不都合な情報は伏せよう

個人情報保護法では「既に亡くなった方の情報」は保護の対象ではありませんが、その情報が生存する人にとって重要に関係してくるケースがあります。この場合は亡くなった先祖の情報でも、生存者の個人情報として保護する必要があります。特に相続に関連した情報は慎重に取扱わなければなりません。

さらに、戸籍を取得していく中で、ある先祖や親族にとって「他人に知られたくないであろうと思われる不都合な情報」が出てくるケースもあります。その場合は家系図や家系譜にその情報を載せないようにします。またその情報について、家族も含め誰にも話さないことを徹底しましょう。

ポイント③~家系図・家系譜を家族以外に見せる時は家族の了承を

家系調査の範囲が戸籍で得られる情報より古くなっていくと、古文書や現地調査の領域に入っていきます。その際には、かつて戸籍が家を基本単位にしていた時代の直系嫡男家系である本家筋や、ご先祖さまの本籍地に暮らす遠縁の親戚、菩提寺や氏神となる神社を訪ねる必要が出てくるでしょう。こうした取材相手に対しても、家系図を作成する主旨を丁寧に説明する必要があります。

こういう時に家系図は、説得材料として欠かすことができないアイテムです。だからといって、家族以外の第三者に軽い気持ちで家系図を見せるのはNGです。必ず事前に家族の了承をとっておきましょう。これは、家系図と家系譜が完成してからも同じこと。歴史上の有名人と意外にも繋がっていることがわかったとしても、浮かれて誰かに家系図を見せて自慢するようなことは避けてください。

個人情報の取扱いは業者選びの基準にも

家系図作りは、未知のご先祖さまと出会えることからワクワクドキドキが止まらない、楽しい作業と言えるでしょう。明るく前向きな気持ちで取り組みたいところですが、周囲に対するちょっとした配慮を怠ってしまったために、家族との関係がぎくしゃくしまっては元も子もありません。特に個人情報の取扱いについては慎重に行いましょう。

また、個人情報保護に関する知識を持っておくことは、家系図を作る上でとても大切です。もし、家系図作成業者に依頼することになれば、業者選びの基準として個人情報の取扱いに意識が向くでしょう。