いざ家系図作りを始めよう!と思っても、何から何までわからないことだらけ。
家系図作りは人生に1度きりで初めてのことなので、何から手を付けていいのかわからない場合も多いと思います。私達のような家系図作成業者には、高度な質問から簡単なものまで、たくさんの疑問や質問が日々寄せられています。さらに家系図作成サービス自体が専門的なサービスのため、実際どのようなサービスなのかもよくわからない!という意見もたくさんあります。

というわけで今回は、実際に寄せられた「家系図作りのよくある質問」をランキング形式でご紹介します。よくある質問の中の選りすぐりのトップ5なので、5つの中に皆さんの疑問を解決してくれる質問が含まれていると思います。5位から1位まで順番にご紹介していきますので、ぜひ参考にしてみて下さい!

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【第5位】家系図を作ると、どんなことがわかりますか?

1.先祖に犯罪者がいることなどが判明することもある?

<回答>ありません。
<解説>
戸籍に記載されている情報は、親族関係と先祖の生年月日・没年月日・本籍地といったものが主です。犯罪歴などは一切記載されていません。そのため、先祖に犯罪者がいるかどうか戸籍を見ただけではわかりません。

犯罪歴が載っていないといっても、重要な個人情報である戸籍の取扱いには十分な注意が必要です。役所ではこのような身辺調査を目的に第三者が戸籍を取得できないように身分証で本人確認を行う等、厳しく管理がされています。

請求者についていえば、戸籍を取得できる人は、請求する戸籍に記載されている者、またはその配偶者、直系尊属(父母・祖父母など)、直系卑属(子・孫など)だけです。傍系親族(兄弟姉妹・おじ・おば・甥・姪など)の戸籍は理由がないと取れないのが原則で、必要な場合は傍系親族本人から委任状をもらわなければなりません。

2.戸籍から先祖の職業や人柄はわかる?

<回答>わかりません。
<解説>
上のとおり、戸籍に記載される情報は限られているので、先祖の職業や人柄はわかりません。しかし取得できるもっとも古い戸籍に記載されている、もっとも遠い世代の先祖の本籍地や名字、家紋、屋号から職業を推測できることはあるでしょう。

ただし、明治時代の戸籍や除籍・改正原戸籍には身分関係事項の族称や職業が残っていました。そのため、役人が記載を見つけては修正液のようなもので塗抹するという手作業を行っていた関係で、その塗抹漏れから記載が読めてしまう稀なケースがあるようです。

そういった家族の詳しい情報や逸話については、自分の両親や、祖父母から家族の言い伝えを聞くのがよい方法といえます。

3.戸籍から差別につながる情報も手に入る?

<回答>現在取得できる戸籍からは、手に入ることはありません。
<解説>
現在取得できる最古の戸籍は「明治19年式戸籍」(1886年)です。この戸籍からは差別につながるような情報は記載されていません。中には誤って記載されている場合もあるようですが、塗抹処理されて見えないようになっています。

日本初の本格的な戸籍制度で作られた「明治5年式戸籍」(1872年)は、その年の干支が壬申だったことから「壬申(じんしん)戸籍」と呼ばれていました。この戸籍には差別に繋がる可能性のある身分に関する情報が記載されていることを理由に、行政文書非該当として開示されることは禁止されています。

「壬申戸籍」の解説記事国によって封印された「壬申戸籍」。閲覧できない理由とは?

戸籍以上に調べるかどうかが最大のポイント!

上の回答を見てわかるように、戸籍からわかる情報は限られています。

  • 天皇家と自分の家のつながりを調べてみたい!
  • 自分と歴史的人物との関係を調べてみたい!
  • 江戸時代ご先祖の職業を調べてみたい!

こんな場合は、必ず戸籍以外の方法でご先祖の情報を調べる必要があります。具体的には図書館で郷土誌を読んだりする文献調査、現地の墓石や郷土資料館情報を集める現地調査、親戚や本家に聞き取りをする聞き取り調査等が必要になります。

戸籍以上の調査については非常に専門的な調査になりますので、自分で行うことに限界があることも事実です。戸籍以上に深くご先祖のことを調べたい場合は、私達のような専門業者の活用も検討してみるべきといえます。

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【第4位】古い戸籍が消失していたらどうなりますか?

ゴミ箱

<回答>戸籍を辿るのは難しくなりますが、別の方法もあります。
<解説>
日本の戸籍制度・国民管理制度はそれなりに正確で、保存状態も優れています。個人差はありますが、8割以上の確率で取得可能な最古の戸籍まで取得することができると考えていいでしょう。

しかし戸籍の保存期間が過ぎて廃棄されてしまっている場合もあります。保存期間は平成22年以降は150年となっており、それ以前は80年でした。さらに戦災や天災なども数多く経験してきており、戸籍が消失してしまっていることもあります。こういった経過も戸籍から読み取れることがあります。その場合は女系の戸籍を取得することで断片的な情報が見えてくるかもしれません。

例えば曾祖父の戸籍が消失してしまっていたら、曾祖母の除籍を調べてみるといったことです。どうしても戸籍から先祖に関する情報が取得できなくなってしまったら、菩提寺の過去帳といった資料や土地台帳等を基に先祖を探していく選択肢もあります。そういった専門的な調査はプロに委ねることもできます。

「戸籍の取り方」の解説記事家系図の調べ方・戸籍の取り方をプロが詳しく解説します!

【第3位】自分で家系図を作るのは無理ですか?

頭を抱える女性

<回答>可能です。しかし根気と努力が必要です。
<解説>
家系図作成業者が行っている業務は、あくまでも家系図作成の「代行」です。 そのため誰でも自分で家系図の作成をすることができます。実際に自力で戸籍調査に取り組んで家系図を完成させる方もいますが、全国からの戸籍集めや、戸籍の正確な読取りに苦労して途中で諦めてしまう方が多いのが実情です。

現在取得することができるもっとも古い戸籍は明治19年式戸籍です。戦災や天災などで戸籍が消失してしまっていることもありますが、かなりの確率で古い戸籍まで取得できると考えてよいでしょう。昔の戸籍を取得できれば、幕末頃の先祖まで家系が繋がってゆくことになりますが、当時の戸籍に書かれた文字が手書きで書かれており、くずし字、変体仮名、大字、異体字が用いられているため、内容や書体の解読がとても難しいため、辞書や専門書を片手に解読することになります。

戸籍を解読して家系図を完成させても、肝心の内容が誤っていることも多いといえます。さらに戸籍から家系図を作るだけではなく、さらに深く先祖を調べたい場合は、日本史の知識や家系の知識、古文書解読の技術や経験も求められます。自分で作成される場合は、時間と手間が想像以上にかかるものとして、相当な心構えで取組まなければいけません。

お忙しい方や、難しいので誰かにやってもらいたい場合は、家系図業者の活用を検討してみて下さい。

「家系図業者の選び方」の解説記事家系図作成代行業者の比較方法!依頼前に注意すべき4つのポイント!

【第2位】何代前まで先祖を遡ることができますか?

階段を登る男性

<回答>戸籍では3〜7代前位までです。依頼する方によって個人差があります。
<解説>
これは家系図を作りたいと思った方の年齢にもよります。平成生まれの方と、昭和初期に生まれた方とではすでに2代の世代差があることになります。さらに、家族によって世代間の年数も差が出てくるため、“何代前か”というと実際答えにくいものなのです。

第3位の回答でもご紹介したとおり、順調に明治19年式戸籍まで取得できれば、幕末頃の先祖まで辿ることが可能です。戸籍調査で判明する範囲はだいたいここまでです。戸籍以上の調査を行えば、さらに古い世代の先祖が判明する可能性もあります。戸籍に記されている最も古い世代の本籍地から文献調査、現地調査を重ね、運良く現地での証言が得られ古文書を閲覧することができれば、江戸初期の頃まで、条件が揃えば平安時代まで判明することもあります。

戸籍に関していえば江戸末期、幕末までということになりますが、戸籍以上の調査も含めれば1000年程度遡れる可能性もあり、世代でいうと数十代遡れることになります。

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【第1位】家系図はどうやって作るのですか?

はてな

<回答>まず戸籍を収集して読み解いて家系図を作ります。
<解説>
第1位は非常に根本的な質問でした。家系図作成がまだ認知されていないことを表しているともいえます。まだ家系図を作ったことがない、一から家系図を作ろうという方は、戸籍を辿って家系図を作ることになります。第一歩は自分の本籍地にある役所から戸籍を取得することです。

続いて全国の市区町村に散らばって保存されている先祖の戸籍・除籍・改製原戸籍を新しいものから古いものへと順番に取得していきます。ここからが読み解く作業。 集まったたくさんの戸籍から、記載されている人物の相関関係をわかりやすい図にすることによって家系がどんどん繋がってゆくのです。この作業が家系図作りの醍醐味といっていいかもしれません。

戸籍の調査が終わって、さらに江戸時代の古い世代の先祖まで遡りたい場合は、江戸時代の古文書、過去帳等を調査することになります。家系図作りは終わりのない心の旅なのです。

まとめ

いかがだったでしょうか。

という結果でした。どれも基本的な質問ではありますが、家系図を作る上でとても大切な質問です。この5つの質問に正確に回答できたら、家系図作りへの理解はかなり進んでいるといえます。次は実際に家系図を作ることを検討してみるべきでしょう。

「家系図の作り方」のまとめ記事【解説】家系図の作り方をプロが解説。自分で作るポイントまで