家系図と聞くとどんなイメージがありますか?「うちは、歴史あるような家ではないので、そんな大げさなものは必要ない」という意見のかたもいるかと思います。しかし、どんな人間もご先祖様があってこそ、今の私たちが存在しています。そして、素敵なパートナーも、パートナーのご先祖様たち一人ひとりの存在のおかげで存在しているということは、大切な事実です。

そして結婚とは、パートナーと一緒になるということだけではなく、家族と家族がつながって、新しい家族を作るということでもあります。 そんな両家のつながり、そして新しい絆を、結婚を機に家系図という形で残すことは様々なメリットがあります。

家系図は自分のルーツを知るため、家族の歴史を子どもや孫、その先の子孫に引継いでいくため、という目的で作られることが多いものです。また家系図を作る作業というのは、専門家ではない一般の方にとってはとても難解かつ地道な作業であり、相当な努力が必要になります。

家系図を、もっとカジュアルに楽しもう

家系図は自分のルーツを知るため、家族の歴史を子どもや孫、その先の子孫に引継いでいくため、という目的で作られることが多いものです。また家系図を作る作業というのは、専門家ではない一般の方にとってはとても難解かつ地道な作業であり、相当な努力が必要になります。

そんなことから、出来上がった家系図は大切に家の奥に大事に保管しておきたくなるものです。美しく清書された、いわば家宝ともいえる家系図は、門外不出のお宝のように大事にしまっておきたくなるのも当然といえます。 でも今となっては、和紙に清書した家系図だけではなく、エクセルファイル等でのデータで家系図を保管する方法もあります。

気軽にディスプレイに表示して閲覧したり、好みのサイズの用紙に出力したりすることもできるわけですから、紙の家系図より実用的な家系図といえますし、活用の幅も広がることでしょう。そこで、どんな場面で家系図が役に立つのかを考えていく第2弾。前回の法事の時に続いて、今回は結婚のときです。

結婚ってやっぱり「家」と「家」?

今どきの結婚は「家」と「家」というより「本人同士」が主体となって決断して、それぞれの家族が認めることで結納や挙式などの段階に進んでゆくのが一般的になっています。 もちろんこれはいわゆる恋愛結婚の場合になります。

一方お見合い結婚では仲介人となる立場の人が、それぞれの人となりや家柄をしっかりとリサーチした上でお見合いの場を設けて話が進んでいきます。かつての結婚とは、家と家でするものという考え方が圧倒的多数でした。恋愛結婚の場合においても、本人同士の交際が発展し、いざ結婚しよう!という段階になってからも大変です。

すんなりゴールインとはいかず、儀式のようにお互いの戸籍を交換する、といったことが普通に行われていたようです。 今でも地域の習慣や、資産家や家柄を重んじる家庭の事情によっては、こういうケースもあると思われます。いずれにしても結婚を機に結婚相手の家族が身内になり、自分の家族が増えるという事実は変わりません。

家系図を両親に結婚式でプレゼント

結婚式の最後では、両親へ感謝の花束とプレゼントを贈るシーンがあります。何か形に残るものや感謝の気持ちを伝えたいなど、プレゼントに悩むかたも多くいるようです。そこで花束と一緒に両家の家系図をプレゼントしてみてはいかがでしょうか。

ご先祖様や両親から受け継いだ命を、次は息子または娘が受け継いでいく。そんな家族のつながりや絆を形にして見えるのが家系図です。きっと喜ばれるに違いありません。 家系図のデザインといえば、代々受け継がれてきた歴史を感じさせるかしこまったものが浮かぶかもしれません。

しかし今は家系図のデザインも豊富で、現代風な家系図もあります。両家の写真やイラストでデザインされたの木の家系図、家のデザイン家系図などさまざまです。結婚式のウェルカムボードとして作ったりする新郎新婦も増えています。

ご先祖様に思いをはせて自分のルーツに出会う!

親戚が集まると、決まって昔の思い出話に花が咲くことがあります。そんな時ふと、「ご先祖様はどんな人だったのかな?」なんて思ったことはありませんか。家系図があれば先祖のルーツなども一目瞭然となり、話が広がりその場がさらに盛り上がることでしょう。

家系図を作り始めると、その楽しさに驚き、どんどんハマっていく方が多いそうです。ご先祖様が暮らしていた場所に興味が湧いたり、名前に同じ漢字が使われている会ったことのない親族に親近感が湧いたり、新しい世界が広がります。 また、親族が集まった時に、家系図を見ながら、お互いの記憶を持ち寄れば、昔の思い出が鮮明によみがえってくることもあるのではないでしょうか。

過去を知り、時に思い出し、話題にすることは、ご先祖様を供養することにもつながります。 また、家系図はしっかり作っておけば、子どもや孫たちに引き継ぐことができます。家系図作りを特別な行為や一大イベントだと思わずに、気軽に始めてみましょう。

家族の自己紹介には戸籍より家系図がおすすめ

個人情報保護の風潮が強まる現代では、結婚する前に戸籍の交換をすることに抵抗を示す方も多いと思います。そこで、自己紹介を兼ねて簡単な家系図を作ってお相手のご両親に渡してみるのはいかがでしょうか。言葉だけではなかなか伝わりにくい家系についてのことも、家系図を見せながら話をすれば、スムーズに伝わるかもしれません。

こうした場合の家系図は<必ずしも厳密に戸籍調査をしなくても大丈夫だといえます。もちろん内容を捏造してはいけませんが、不都合な部分はわざわざ書かなくてもいいでしょう。たとえば結婚する本人から見て、両親の兄弟、父方母方それぞれのお爺さんお婆さん、その上は男系で、といったコンパクトで見やすい家系図がいいと思います。

さらに、出身地や職業などをわかりやすく記載しておくと、結婚相手の家族との以外な共通点が見つかって、共通の話題に花が咲く、なんていうこともあるかもしれません。 もし、戸籍や古文書からしっかり調査した家系図をすでに作成しているのであれば、その家系図を渡してみるといいでしょう。

武家の家系ではないからといって引け目を感じる必要はありません。江戸時代から幕末に至るまでのご先祖様もしっかりと把握していることに、先方の家族にも感心されることでしょうし、家系図があるということだけで立派な家に見える部分もあります。また、ご先祖様を大切にしている家、ということが相手の家族にきっと良い印象になるでしょう。

結婚を機にぜひ家系図作りを

まだ家系図を作成していない側の家にとっても、この結婚を機に家系図を作ってみようという、よいキッカケになることでしょう。当人たちもこれから家族になって、つながった家系図を二人でつないでいこう、幸せな家庭を築いていこう!と結婚に向けてとても前向きになるのではないでしょうか。

結婚は、自分の家系を見つめるいいキッカケになります。すでに家系図を持っていれば、それを見直し、相手のご家族に見せるために情報を加えたり、家系の範囲を整理したりする作業をしてみてはいかがでしょうか。まだ家系図を持っていなければ、結婚を機に専門業者に依頼し、しっかりとした家系図を作成するのもお勧めです。

また、もっと気軽に自分と両親が把握しているくらいの範囲で簡単な家系図を作ってみるのもいいでしょう。本格的な家系図作成の第一歩になるかもしれません。ご先祖様に結婚を報告するような気持ちで家系図を作れば、とても意義のある素晴らしい共同作業になるでしょう。