家系図作りに取組む気はあっても、忙しくてずるずると後回しになってしまっている方も多いのではないでしょうか。家系図がないと困ることもなく、後からでも作れると、やらなきゃと思いながらも時間だけが過ぎていく。そんな方に向けて、この記事では覚えておきたい家系図作りのタイムリミットを一つ一つ順番にご紹介します。

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古い戸籍が廃棄されてしまう!

捨てる

家系図作りに必須の戸籍。実はこの戸籍はいつまでも役所が保管していてくれるわけではありません。平成22年に古い戸籍の保存期間が80年から150年に延長されたため、当分の間役所は法律によって戸籍を廃棄できなくなりました。この法改正がされる前にはたくさんの戸籍が捨てられてしまいましたが、それでも捨てずに保管を続けてくれた役所が多かったため、これまでご依頼いただいた8割以上のお客様は幕末時代の先祖を見つけることができています。

明治維新から150年の節目

しかし2018年で明治維新から150年が経つこととなり、とうとうこれから明治時代に作られた古い戸籍が廃棄されてしまうことになります。保存期間を過ぎて戸籍が廃棄されてしまうと、ご先祖様は“永久に歴史の闇の中”へ。時が経つほど家族の歴史を振り返ったり、自分のルーツを知ることが、難しくなってしまうことになります

貴重な書物が消失してしまう!

捨てられた古書

戸籍だけでなく、各地に所蔵されている文献も家系図作りやルーツ探しのヒントになることも多くあります。図書館で保管されているような文献はしっかりと管理されているため劣化・廃棄の心配は少ないですが、本家や寺等の私人が管理している文献・古書等は厳しく管理されていないため、劣化・廃棄・消失が進んでしまうことになります

大震災や洪水のような大きな天災に見舞われるようなことがあれば、貴重な文献がたちまち全て消失してしまうということもあり得ます。時が経てば経つほど家系図作り・ルーツ探しのハードルは上がってしまうことになるのです。

法律や制度が変わってしまう?

法律

法律は時代の流れと共に変わっていきます。今こうして家系図作りができるのは、現在の法律、戸籍制度の運用があるからです。実は最近、非効率といわれる戸籍制度の存在意義について、多く議論がされています。もし今後制度が変わり、家系図作りを理由として昔の戸籍を取得することができなくなってしまうと、自分のご先祖は永久に見つけられず、自分のルーツを辿ることができなくなってしまうことになります

家系図をいつか作ろうと思っている方は、今の戸籍制度が維持されているうちに、ご先祖の資料だけは集めておかなければならないことになります。

近づく古老の寿命

老人

日本のあらゆる場所に「古老」と呼ばれるその地域の歴史に詳しい方(多くの場合おじいちゃん)がいます。私達も、お客様のルーツ調査を行うとき地域の歴史に詳しい方を訪ねて話を聞くことがあります。地元の古老の方からは、文献には書いていない貴重な話を聞くことができるため、家系図作りにはとても頼りになる方達なのです。特に自分の家の本家の当主は、家に関する貴重な言い伝えを知っている可能性も非常に高いですから、ルーツ探しをする上では必ず話を聞いておきたい貴重な人物です

現代の技術では、この古老の知識を全て保存して、残しておくことはできません。人の知識や人生経験には本にはまとめきれないたくさんの深みや物語があるからです。古老はご老人ですから、いつ話が聞けなくなってしまうかわかりません。

戸籍は後からでも請求すれば同じものができますが、“人から話を聞くこと”には必ずタイムリミットがあることを知っておいて下さい

家族や親戚から話を聞けなくなってしまう!

家族

戸籍を辿って家系図を作っても、その家系図は戸籍の情報だけの未完成のもの。直接家族・親戚・本家等に話を聞いて、家族の歴史や物語を書き足して、残していくことが大切です。戸籍の情報はいわば「骨」のようなもので、「肉」にあたる家族の物語・ストーリーを追加していくことで、良い家系図が完成することになります

しかし家系図を作ったことをキッカケに、昔の家族のことを自分の両親、祖父母、親戚に話を聞こうと思っても、その時に病気によって会話が困難、もうお亡くなりになっていた、ということでは貴重な話を聞くことができなくなってしまいます。特に戦時中の話等は、あと数年もすれば、直接話を聞ける人が激減してしまうことになります。

「もっと早く家系図を作っておけば祖父に色々な話を聞けたのに・・」
家系図を作った方からはこんな言葉がよく聞かれます。さらに親が余命宣告されてから急いで家系図作りの相談に来られる方も実は多いのです。家族の歴史をまとめて家系図を作ることは最高の親孝行にもなります。親孝行にタイムリミットがあるように、家系図作りにもタイムリミットがあるということです。

家系図は家族のもの。家系図を作る私たちとしても、なるべく多くの家族で楽しみ、普段話せないような話のキッカケにしていただきたいと思っています。家系図を作ると先祖のありがたみが一層感じられるようになるはずですから、両親やおじいちゃん、おばあちゃんに対しても、もっと孝行したくなるはずです。

家系図は普段意識しないことを思い出すキッカケになるツールです。人の命は永遠ではありませんので、家族や親戚が元気なうちに家系図を作るのが一番です

まとめ

家系図作りを後回しにするデメリットがご理解いただけたのではないでしょうか。家系図作りや自分のルーツ探しを検討している方は、なるべく早い時期に取り掛かることをオススメしています。
※後からだと同じ家系図が作れなくなってしまう可能性があります。

家系図の専門業者に依頼する費用が気になる方は、ご自身でもすぐ始めることができますし、自分で家系図を作る方法も以下の記事でご紹介しています。

いざ家系図を作ろうと思い立っても、もう時すでに遅しとならないようにタイムリミットは覚えておきましょう。
皆さんの家系図作りが後悔のない良いものになるように、応援しています!