日本の国民管理の方法で主なものは、住民票と戸籍です。住民票は引っ越しの手続きのときなどに役所に届出が必要だったり、住所変更の手続きで必要になったりと、生活する上で必要な場面が多い一方、戸籍に関する届出は、一生のうちに何度もするものではないため、ピンとこない方も多いのではないでしょうか?

パスポートの申請や、婚姻届、相続手続、さらには家系図作成に必須の戸籍は本籍地がある役所に請求しなければいけません。しかしいざ戸籍が必要となったときに、一体どこに取りに行けばいいのかわからない方も多いはずです。この記事ではそんなケースで役立つ、本籍地の調べ方を解説します。

本籍地とは何?

自分の戸籍は、自分の本籍地がある役所で取得できます。自分の住所がわからない人はいないと思いますが、自分の本籍地がわからない方は実は多いものです。以前は運転免許証に本籍地が記載される欄があり、免許証を持っている方であればすぐに確認することができましたが、現在は免許証に本籍地が記載されない取扱になっています。そのことが本籍地を知らない人が増えている理由の一つと言われています。

では住所とは違う本籍地とは一体何なのでしょうか。ここでまず、混同しがちな「住所」との違いを明らかにしていきます。

住所と本籍の違いとは

戸籍と住民票

・住所地=住んでいるところ
・本籍地=戸籍を置く場所・見出し

です。住所は自分が住んでいる場所として市区町村に届け出ている場所が正式な住所です。居候・出向などで一時的に寝泊まりしている場所は居所(いどころ)と呼ばれ、法律上も住所とは区別されます。住所を基準に税金が課されたり、国民健康保険に加入したりするため、自分の住所がどこなのかによって生活に与える影響も少なからずあります。

一方、本籍地はどこに置くかは自由です。そのため、皇居や大阪城、甲子園球場を本籍地にしている方も多くいます。住所と違い、本籍地がどこなのかによって生活に与える影響もほとんどありません。本籍地の表記は役所によって若干の違いはあるものの、住所と同じように「練馬区上石神井9丁目17番」のように表記されます。

本籍と筆頭者は「見出し」の役割

本籍は「筆頭者」の表記と合わせて自分の戸籍を取得する際のいわば「見出し」の役割を果たしています。あくまで見出しとしての意味しかないため、その本籍地(何丁目何番)に戸籍が保管されている必要もありません。また住所と異なり、アパート・マンション名も入りません。

住所と本籍は表記方法も少し違う

これは本籍“地”はあくまで「土地」に定めるものとされていて、頻繁に変えるようなものではなく生まれて死ぬまで同じ本籍地の方も多いですから、アパートが取り壊されてしまうと本籍地が宙に浮いてしまうことにもなってしまいます。あくまで住む場所のことではなく、定める場所(見出し)が本籍地なのです。

このことから、住所と本籍地は「意味」は全く別のもの、「表記」については少しだけ違うもの、と理解しておきましょう。

住所と本籍地が混同しやすいのは、元々住所と本籍地が同じだったことが原因です。明治初期は家族全員が同じ場所で生活していることが多かったものの、時代が変わり出稼ぎや進学等のために家族が別の場所に住むことが多くなり不都合が多くなってきたことから、住所と本籍が別のものとして管理されるようになった歴史があります。

本籍地が遠い場所だったらどうなる?

森の中

 

上で解説した通り、本籍地はどこに定めてもいいものですが、一つだけ気にしておきたいことは、自分の戸籍は本籍地の市区町村役場でしか取得できないということです。とはいっても、実際にその役所に出向かなければいけないというわけではなく、郵送で請求することもできます。戸籍の郵送請求の方法については以下の記事に詳しく解説しています。

「戸籍の取り方」の解説記事家系図の調べ方・戸籍の取り方をプロが詳しく解説します!

コンビニでも自分の戸籍が取得できる?

まだ一般的ではありませんが、コンビニで戸籍を取得する方法もあります。しかしマイナンバーカードが必要であることと、対応している(本籍地の)役場が限られているということ、事前にインターネットで申請が必要だったりすることもあり、利用のハードルが多くあまり利用されていません。さらに、そもそもコンビニでは古い戸籍である改製原戸籍や除籍謄本を取得することができないため、相続手続や家系図作成が目的の場合は必要な戸籍を全て取得することができないという決定的な欠点もあります。

郵送やコンビニで戸籍が請求できるといっても、近くの役場の窓口で取得するほうが手軽で簡単ですから、意味もなく本籍地を遠い場所にするべきではありません。実際には、自分の住所地や、実家、祖父母の家が本籍地であることがほとんどです。では次に本題の、自分の本籍地がどこなのか確認する方法を紹介していきます。

本籍地を確認する5つの方法

探す子供

自分の本籍地を確認するためには、以下の5つの方法があります。

1.親に聞いてみる方法
2.住民票で調べる方法
3.過去の書類から確認する方法
4.免許証とスマホで調べる方法
5.警察署・運転免許試験場・更新センターで確認する方法

もっとも手軽な方法から順番にご紹介します。

親に聞いてみる方法

結婚している方は、婚姻届を出す際に自動的に親と別の戸籍になります。一方、自分が未婚の場合は、ほぼ確実に親と同じ戸籍に入っています。そのため、未婚の方はまず親に聞いてみると本籍地がわかる可能性が高いです。戸籍を取得する際には本籍地と筆頭者の情報が必要ですが、未婚の場合は親が筆頭者になっています。

両親と連絡が取りづらい場合、親も本籍地がわからない場合、自分が既婚者(離婚している場合も含む)の場合は、次の住民票から確認する方法がオススメです。

住民票で調べる方法

自分の本籍地は、住民票から簡単に確認することができます。住民票は自分が住んでいる場所の市区町村役場で取得することができるため、手間もそこまでかかりません。役所によっては住民票の自動発行機やコンビニで取得できる場合もあります。住民票で本籍地を確認するポイントは、請求する際に「本籍・筆頭者の記載を要する」欄にチェックを入れ「本籍地・筆頭者が記載された住民票」を取得することです。住民票は本籍・筆頭者を記載するかどうかを選ぶことができるようになっているので、請求するときにはそのことを忘れないようにしましょう。その他にも住民票に世帯全員分が載せるか自分だけかの選択がありますが、自分の本籍地を知りたいだけであれば自分だけが載った住民票で十分です。

この住民票で本籍地を調べる方法がとても確実で一番オススメの方法です。私達が家系図を作る際にお客様の本籍地がわからない場合も、住民票から確認する方法をとりますので、迷ったら住民票をとれば大丈夫!と覚えておきましょう!

過去の書類から確認する方法

この方法は、本籍地が記載されている書類を探すという方法です。

  1. 相続手続きをしている場合
  2. 婚姻届(離婚届)を出している場合
  3. 住民票を取得している場合
  4. パスポートの申請をしている場合

最近上に挙げた手続をしている場合は、その際の書類から自分の本籍地が確認できる可能性が高いので、当時の書類を探してみましょう。

免許証とスマホで本籍地を調べる

スマートフォンで本籍を調べる

スマートフォンの操作が得意な方は、運転免許証をスマホにかざして本籍地を確認する変わった方法もあります。免許証には本籍は記載されなくなりましたが、内蔵されているICチップに記録されているため、その情報をスマホで読み取ることができます。現状iPhoneでは対応しておらず、Android端末かつNFCリーダー搭載のスマホに限定されますが、この方法を使えばこの場で簡単に確認することができます。免許取得・更新のときに設定した2つの暗証番号が必要になります。暗証番号がわかる方は試してみてはいかがでしょうか。

▼アプリダウンロードページ▼
IC運転免許証リーダー(外部サイト:Google Play)

警察署・運転免許試験場・更新センターで確認する

運転免許証をお持ちの方は、警察署・試験場・免許更新センターに設置されているICカード読み取り装置を利用して本籍地を確認することができます。ICチップを読み取るという点ではスマートフォンアプリと同じですが、スマートフォンがなくても確認できるという点と、暗証番号がわからない場合でも警察署に行けば教えてもらえる(電話は不可)という点が異なります。住民票に比べるとポピュラーな方法とはいえませんが、市区町村役場より警察署の方が近くで行きやすい方は、試してみてもいいと思います。

▼関連ページ▼
ICカード免許証(外部サイト:警視庁のページ)

<豆知識>外国人・元日本人の場合の本籍地は?

たとえ外国に住んでいても、日本人であれば日本のどこかに本籍地があるため、確認方法も変わりません。日本のパスポートに、本籍地のある都道府県までは記載されているはずです。しかし、帰化等で日本人でなくなっている場合(元日本人)や、外国人の場合は日本に本籍はありません。これは日本の戸籍に登載されることが日本人であることの証明にもなっているからです。元日本人の方が、日本人だった時の本籍を確認したい場合で、かつ上に挙げた方法で確認できなかった場合は日本大使館や総領事館に問い合わせをしてみるしかありません。

まとめ

いかがだったでしょうか。ご紹介したとおり本籍地の調べ方にも色々あります。しかし、一番確実で手軽な方法は住民票から確認する方法といえます。

住民票と戸籍は別のものなのに、なぜ住民票で本籍が確認できるのかというと、実は戸籍と住民票は連動しているからなのです。戸籍と住民票の記載に変更があったら、それぞれの役所に連絡がされる仕組みになっています。本籍地の役所で取得できる戸籍の附票と呼ばれる証明書からは、住所の異動も確認できます。なんでこんなややこしい制度になってしまったの?と感じた方は戸籍制度の歴史も以下の記事から学んでみて下さい。

「戸籍の歴史」の解説記事戸籍制度の歴史とは?いつから始まったものなのか。

一方で免許証から本籍地を確認する方法はご存じなかった方も多いと思います。これを機に「やってみたい!」「面白そう!」という方はチャレンジしてみて下さい。しかし、ICチップを読み取るための2つの暗証番号を覚えているかがポイントになりますのでご注意を。