戸籍をもとに、どの位前まで遡ることができる?

幕末時代まで遡る家系図を作るのに戸籍は欠かせない情報源となります。自分が生まれた時に入籍した戸籍に始まって、両親が結婚する前の戸籍、またそれ以前の戸籍という具合でたどってゆけば、先祖や遠い親戚との関係がどんどん明らかになってゆきます。

では、戸籍をもとにいったいどの位前まで遡ることができるのでしょうか。それは、役所における戸籍の保存期間と大きく関係しています。今回は戸籍でたどれる歴史の深さを考えてみましょう。

閉じられた戸籍「除籍」と「改製原戸籍」って?
一般的に、現在の自分の戸籍にはまず自分がいて、配偶者がいれば夫婦で、結婚していない子がいれば子が加わり、もし自分が未婚であれば親がいることになるでしょう。

昭和23年に改正された戸籍法では、戸主(現在の筆頭者にあたります)とその両親や兄弟、子で編成されていた「三代戸籍」が廃止となって、夫婦とその子で編成する「二代戸籍」となりました。これを「三代戸籍禁止の原則」ということもあります。

たとえば、子が全員結婚して除籍となった戸籍には、一般的に両親しかいない、ということになるわけです。戸籍はその中に生存している人が記載されている限り有効となるのですが、死亡や結婚などを理由に一人ずつ除籍され、生存している人が誰もいなくなってしまうと、その戸籍は閉鎖されて「除籍」となります。

「除籍」になるケースとは?
また、本籍の場所を移す「転籍」を行った場合も、従来の戸籍は閉鎖されて「除籍」となるのです。「除籍」という言葉には、

①死亡や結婚などで戸籍から抜けること
②戸籍に記載される生存者がいなくなって閉鎖
③転籍によってそれまでの戸籍が閉鎖

という3つのケースがあるので、混同しないように覚えておきましょう。そして、除籍の写しのことを「除籍謄本」といいます。もうひとつ閉鎖された戸籍というものがあります。戸籍法の改正や、管理システムの変更などによって閉鎖されたのが「改製原戸籍」となり、その写しは「改製原戸籍謄本」といいます。

保存期間80年だった除籍は、すでに廃棄されているものも多い

さて、どこまで先祖をたどれるかについては、ここからが本題です。

除籍と改製原戸籍には保存期間が定められています。以前は80年でしたが、平成22年(2010年)に見直しがされ、一気に150年まで延長されました。起算となる年は、除籍となった年度の翌年からということになっています。保存期間が過ぎてしまえば廃棄されるのが原則なのですが、実際には廃棄されずに保管している自治体が多いようです。ただ、保管されていても除籍謄本の写しの発行に応じてくれないこともあるので、認識しておいた方がいいでしょう。

昭和4年以前の除籍は、廃棄されている場合もある
また、保存期間80年だった除籍は、すでに廃棄されてしまっている場合があることを知っておきましょう。たとえば単純計算ですが、昭和4年(1929年)に除籍となっていれば平成21年(2009年)に80年を迎えて廃棄されていることになりますが、昭和5年(1930年)除籍であれば、平成22年の改正で70年延長され、2080年まで保存されるのです。

そういったわけで、昭和4年以前の除籍は、除籍謄本の写しを発行してもらえなくなっている場合もあるということです。それでも保存期間の80年以降も保管を続けて、150年に延期になった際に、昭和4年以前の除籍謄本も引き続き写しを発行してくれる自治体も多いものです。一応、問い合わせてみることをオススメします。

除籍をたどれば、江戸時代の先祖に出会える

そこで、こういう計算をしてみましょう。仮に昭和5年に90歳で亡くなった男性Aがいたとします。Aは三代戸籍の最後の世代となります。そのためAの子はみな結婚して、すでに除籍となっています。

同じ戸籍の中には、両親と父方の祖父母がいました。父が35歳の時にAが生まれ、祖父も35歳の時にAの父が生まれました。とすれば、父の誕生は昭和5年から125年前の文化2年(1805年)、祖父は160年前の明和7年(1770年)に遡ります。祖父誕生の頃は十代将軍・徳川家治の時代となり、この除籍からは、だいたい江戸中期頃までがわかるということになるのです。

除籍の保存期間が大幅に延長になったとは言え、保存期間80年時代の除籍の行方は気になるものです。これを機に過去の戸籍を探って、発行してもらえる写しを集めてみてはいかがでしょうか。家系図作りのいい機会になるかもしれません。