「自分のルーツを知りたい!」
「家系図を子孫に残したい!作ってみよう!」
そう思い立ったはいいものの、専門業者の料金を見て「こんなにかかるの!?」と驚いた方も多いのではないでしょうか。では「自分で作ってみよう」と思っても、手続きの複雑さや昔の文字の解読など、ハードルの高さに二の足を踏んでしまいがちです。このように、家系図作りを思い立ったときに、「自分で作るか」か「プロに依頼するか」は、誰もが一度は検討するポイントだと思います。
この記事では、両者のメリット・デメリットを比較し、あなたが「どちらの方法を選ぶべきか」を判断するための基準を整理しました。記事の最後に「タイプ別診断」も用意してますので、後悔のない家系図作りのために、是非ご一読ください。
目次
自作とプロを比較
まず、自作とプロでどのような違いが出てくるのか、比較表を用いて具体的に整理してみます。自分で家系図を作る場合と、プロに依頼する場合では、「費用」「期間」「正確性」「完成度」の3点において大きな違いが出てきます。
1.費用:10万円以下(実費)vs 数万〜100万円
言うまでもなく、最も大きな違いはコストです。自力作成の場合、かかる費用は主に役所へ支払う「戸籍の発行手数料(1通450円〜750円)」のみ。範囲にもよりますが、1万円〜3万円程度で収まることが大半です。その他、郷土史等の文献資料の図書費や複写代がかかり、現地調査に行った際には旅費等もかかってきます。調査には膨大な時間を費やすことにはなりますが、製本等にこだわらなければ支払うお金は10万円以内で収まることがほとんどです。
一方、業者は数万円〜100万円の費用がかかります。これは単なる代行費ではなく、専門的な調査技術、旧字体の解読、そして長期保存に耐えうる製本への対価です。提供されるサービスによって料金は大きく変わります。
2.期間:無期限 vs 2〜6ヶ月
自作家系図には「締め切り」がありません。しかし、戸籍を読み解く作業は、想像以上に難航することがあります。さらに、戸籍以上の調査になってくると作業の全体像が見えない分、効率的に調査することが難しくなる傾向があります。
業者の場合、プランにもよりますが2〜6ヶ月程度の明確な納期があります。「いつまでに完成する」という目安があるのは、大きな安心材料です。また、個人より専門業者の方が効率的に作業が実施される点はいうまでもありません。
3.完成度:コピー用紙 vs 巻物や専用ファイルなど
自作の場合、最終的なアウトプットは「家庭用プリンターでの印刷」になりがちです。プロ並みのデザインや製本は難しい代わりに、手作り感があって味のある家系図を作ることができます。
それに対してプロの納品物は、和紙や掛軸、巻物なども選ぶことができる場合があり、データ化にも対応しているケースが多いです。当然ですが、プロが作るものは自作よりも正確で高品質な仕様で作成されます。自分以外の誰に見せても恥ずかしくない品質の家系図が手に入ります。これらをまとめると、以下のようになります。
自作とプロの比較表
| 比較項目 | 自 作 | 専門業者への依頼 |
|---|---|---|
| 費用の目安 | 数千円 〜 10万円 (実費のみ) |
5万円 〜 100万円 (調査範囲・仕上げによる) |
| 制作期間 | 数ヶ月 〜 数年(無期限) (個人のやる気に依存) |
2ヶ月 〜 6ヶ月程度 (納期の目安あり) |
| 主な作業 | 戸籍収集・解読、作図、文献調査、聞取り調査、現地調査、古文書解読、レポート執筆、製本 等 | 基本的に全てお任せ 依頼した後は待つだけ |
| 完成品の質 | コピー用紙、データ化 等 (個人では限界あり) |
専用フォルダ、専用ファイル、製本、巻物、データ化まで 贈答用、データ保存、長期保存対応 |
| リスク | ①途中で挫折するリスク ②資料誤読によるミス |
①費用がかかる ②業者選びの失敗リスク |
こうして見ると、単に「高い・安い」だけでは測れない、それぞれの特徴が見えてきます。でもやっぱり費用はかけたくない!という場合、自作で取り組むしかありません。次に、具体的に「自作家系図」には具体的にどのような壁が待ち受けているのかを紹介します。
自分で作る際の3つのハードル
自分で家系図を作れば「圧倒的な安さ」と、新しい事実を発見した時の「楽しさ」という大きなメリットがあります。私達も、ご自身で作る時間やモチベーションのある方には、自作をおすすめしておりますが、現実的には少しハードルがあることも事実です。
ハードル①:くずし字・古文書の壁
明治・大正時代の戸籍(除籍謄本)を入手して、いざ読もうとした瞬間、多くの人が絶句します。 そこにあるのは、現代の文字とは似ても似つかない手書きの筆文字(くずし字)や、今は使われていない難解な旧字体の羅列だからです。明治時代の戸籍の文字については現代の字を読みづらい程度のレベルのものですが、江戸時代の資料を調べる際はさらに専門的な解読技術が必要な「古文書」を読まなければならないケースがあります。
古文書を読むのは結構大変…
自分の先祖を調べるためだけの理由で古文書解読を学ぶのは現実的ではありませんし、現時点での技術ではAiでも正確に読むことができません。複写ができれば解読業者に依頼も可能ですが、古文書館ではそもそも複写が禁じられている資料も珍しくありません。その場合は自分自身で古文書を読んで先祖を探さなければならないことになります。
文字が読めないことで家系図作りのモチベーションが低下して挫折してしまうケースもありますので、自分で取り組む方は予め認識し覚悟を固めておくようにしましょう。
ハードル②:歴史の知識の壁
戸籍に関していえば、自作の場合もプロが調べる場合も、同じ資料を見ることになりますが、歴史や専門知識の有無の違いによって、その資料から引き出せる情報は変わってきます。戸籍からは一般的には次のようなことがわかります。
戸籍からわかること
- 明治以降のご先祖の家族関係
- 明治以降のご先祖の名前・生没年月日
- 明治時代のご先祖が住んでいた場所
一方でプロが戸籍を見ると書かれていない次のようなことも推測できます。
プロが戸籍を見ると推測できること
- 江戸時代のご先祖の職業(士農工商)
- 江戸時代のご先祖の暮らしぶり
- 戸籍以上の先祖調査での期待値
戸籍だけでもこのように引き出せる情報が変わってきます。さらに、先祖調査の現場ではあるあるな、次のような場面でも専門知識の有無で違いが出てきます。
専門知識が求められる場面の例
- 苗字の分布からの当時の状況推測
- 同姓同名の先祖がいた場合の処理方法
- 過去帳(戒名)から系図復元するケース
- 墓地の位置関係からの家格の推測
- 先祖に関する資料の所蔵先の割出し etc
上はあくまで一例で、他にも数え切れないくらい知識が必要な場面は存在します。歴史の知識だけでなく、先祖調査特有の専門知識もあるのだということがご理解いただけるのではないでしょうか。さらに、専門業者は独自のデータベースを持っていることが通常ですので、アクセスできる資料自体にも違いが出てくることがあります。
ハードル③:家系図の信頼度の違い
最後は家系図の信頼の違いです。家系図を見るのが自分だけであれば、全く気にすることはないことですが、自分以外の親戚に見せる場合には「自分で調べて作った場合」と「専門業者が作った場合」では、どうしても専門業者が作ったものの方が信頼されやすい傾向があるといえます。
家系図を見せてもらった方も、当然ながら家系図の内容に関しては専門的な知識を持っていないわけですから、信憑性を確かめる術がなく「誰が作ったのか」によって判断するしかないのです。作った側からすれば「正しい」と自信を持っているものだとしても、それを伝えるのはまた別の困難が伴うというわけです。自分以外の誰かに見せるつもりで家系図作りに取組む場合には、これは覚えておきたい事実です。
業者に依頼するメリットとは
上に紹介したような「ハードル」を全て乗り越えて、確実な家系図を作ってもらえるのが業者依頼のメリットです。
専門業者に依頼するメリット
- 作業のほとんどを丸投げできる
- 効率的に先祖を調査してもらえる
- 信頼度の高い家系図が作れる
- 専門業者独自のデータベースの活用
- 家族・親族に見せられる品質の高さ
- 将来的な保存も踏まえたデータの提供
このようなメリットがあるといえます。次に、自作向きか業者依頼向きか、タイプ別の診断をしてみましょう。
あなたはどっち? 失敗しないためのタイプ別診断
以下の項目のうち、あてはまるものが多い方はどちらですか?
【A】タイプ:自作家系図に向いている人
- 歴史の知識に自信がある。学ぶことが苦にならない
- 趣味のための時間が比較的とりやすい
- 達筆なくずし字や、古文書の解読に自信がある
- 自分で納得できるまで調査をしたい。数年かかってもOK
- 自分の時間を犠牲にしてでも費用を最小限に抑えたい
- 自分で先祖を調べることに意義があると考えている
Aが多いあなたは…「自作」にチャレンジ!
調査のプロセスそのものを楽しめるAタイプの方は、自力での作成がおすすめです。少しずつご先祖様のお名前が明らかになっていく喜びは、何物にも代えがたい貴重な体験になるはずです。まずは役所へ「戸籍謄本の請求」をすることから始めてみてください。
【B】タイプ:プロへ依頼に向いている人
- 仕事や家庭が忙しく、時間をとりづらい
- 時間単価が高い方(経営者・高所得者など)
- 帰省や正月など、家系図を作る期限がある
- 自分以外の親戚に高品質な家系図を見せたい
- 自己満足にとどまらず子孫に伝承できる家系図を作りたい
- 第三者から見ても信頼感のある家系図を作りたい
Bが多いあなたは…「専門業者」が正解!
結果(完成品)と正確さを重視するあなたには、プロへの依頼が最もコストパフォーマンスの良い選択です。家系図を本格的に調べた場合の所要時間は300時間ともいわれます。貴重な時間を費やすことなく、確実に「信頼できる家系図」を手に入れることができるので合理的です。
皆さんはAとB、どちらの◯が多かったでしょうか。診断しても決めかねる場合は、自分の中で優先順位を決めると判断しやすくなると思います。
まとめ:全ての決め手は「楽しめるかどうか」

ここまで記事をご覧いただいたことで、「自作家系図」と「プロへ依頼」それぞれのメリット・デメリットが整理できたのではないでしょうか。私達がお客様から相談を受けた場合は、「作業を楽しめそうかどうか」が最大のポイントだと、いつもお伝えしています。
上の記事で家系図作りの全体像を把握した上で「面白そう!」と感じた方はまず自作にチャレンジしてみるのがよいと思います。私達のような専門業者であっても、お客様の楽しみを奪うようなことをしたくはありません。
自力で苦労して作るのも、プロに任せて高品質なものを残すのも人それぞれですし、どちらも素晴らしい選択だと思います。一番もったいないのは、「自分で作るのは大変そう」「プロに依頼するとお金がかかる」と判断を先送りし、家系図作りを後回しにしてしまうことです。家系図作り・先祖調査は、世界に誇る日本の歴史と自分自身がつながることができる、とても意義深いものです。ですから、自作でも依頼でも、全ての方にチャレンジしていただきたいと思っています。
迷ったら「いいとこ取り」もOK
「まずは自分でやってみたいけど、自信がない。」という場合は、途中からの依頼も検討してみてください。
「戸籍は集めたけど、読み解けないから家系図作成だけ頼みたい」
「自力で戸籍は調べたけれど、この先の調査に関してアドバイスがほしい」
「江戸時代の古文書の解読だけ依頼したい」
「自分の書いたレポートをレビューしてほしい」
そんなご相談も、専門業者は大歓迎です。まずはご自身でチャレンジしてみて、難しければプロの手を借りる。難しさを体感してから依頼するほうが、自分自身で納得してから依頼することができると思いますし、そんな柔軟なスタンスで家系図作りへの一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。
業者選ぶ際のポイントはこちらの記事で紹介していますので、プロに頼む場合の参考にしてみて下さい。
あなたの家系図作りが、人生にインパクトを与える素晴らしい体験になることを願っています。


























