明治には7万以上あった市町村が、いまや2千以下に

日本の地名は常に変化し続けていて、特に市町村の合体と編入、つまり合併が繰り返されてきています。

明治には7万以上あった市町村が約5分の1になった「明治の大合併」、昭和31年から36年にかけては、約1万から約3.500になった「昭和の大合併」、さらには平成18年までに3,232の市町村が1,821に減った「平成の大合併」がありました。

記憶に新しい市町村合併といえば、平成13年5月1日に誕生した「さいたま市」の例があります。浦和市、大宮市、与野市が合併し、その後岩槻市が編入されて現在は10の行政区を設置した政令都市となっていますが、大合併を象徴するような市町村合併だと思います。

消えた地名の探り方のあれこれ

合併されることによって市町村はどんどん減ってきています。上記の通り、明治の7万以上から現在の2千弱と、相当な数の市町村名がなくなっているのです。もし、自分のルーツを探ろうと思いついて調査を始めたら、消えて行った市町村名に悩まされることが多いことでしょう。

せっかく古い手紙や葉書、戸籍などの資料があっても、そこに書かれている今はない地名で調査がストップしてしまっては残念です。そこで今回は、市町村合併などで消滅してしまった地名の探り方をご紹介してまいりましょう。

・役所の戸籍・住民票扱い部署
まずは、その古い地名が現在のどの市町村にあるのかを探ってみましょう。これはネット検索である程度のところまで絞り込めます。もし、隣接する市町村との境界線が変更された経歴があったのなら、可能性がある複数の市町村の役所に問い合わせてみることをお薦めします。

役所では戸籍・住民票を扱う部署で問い合わせると正確な情報がわかると思いますが、資産・財産に関わるケースも想定でき個人情報保護の方針から、正当な使用目的を問われることがあるかもしれません。

・法務局の各支局
役所でわからなかったら、管轄している法務局の法務支局に問い合わせてみましょう。法務局では土地・建物の登記、登記の各種証明書の発行、地番や家屋番号の照会を主におこなっています。

また、法務省の関連団体で一般社団法人民事法務協会が「登記情報提供サービス」というWEBサイトを運営しています。利用登録の申請が認められれば、個人でも登記情報を得ることができるので、サイトを覗いてみるのもいいでしょう。

・教育委員会や図書館・博物館
教育委員会は、各自治体管内の文化財や史跡のデータベースを管理している場合が多いです。古い地名を調べるのであれば、十分な資料が用意されていることでしょう。

また、図書館も蔵書に地元に関する古い文献やローカルな出版物があり、博物館にも未公開のを含め史料が管理されています。いずれも地元の生き字引のような学芸員に出会えるとラッキーです。さらに詳しいことがわかるに違いありません。

・国土地理院
地図好きの方には、国土地理院がアーカイブしている古地図から探るのも興味が湧いて楽しいものです。WEBサイトの「古地図コレクション」には所蔵している地理史料が公開されており、古いものでは伊能忠敬の「伊能大図」が拡大表示できるなどたいへん興味深いコンテンツが満載です。

また「図歴(旧版地図)」では、明治時代からこれまでに作成された地図の刊行リストが見られますが、低解像度なので地名はやや見づらいという難点もあります。

・日本郵便
平成15年以降と比較的最近の変更に限ってですが、WEBサイトにて都道府県別に市町村変更情報を見ることができます。たとえば、「千葉県香取市は、佐原市、香取郡小見川町・山田町・栗源町が平成18年3月27日に合併して誕生」といった情報までがわかります。調査のフロントラインとして見てみるのにいいでしょう。

自分で調べる時間と手間がなければ?

このように、今は使われなくなった古い地名を調べるのは、知的好奇心を掻き立てられて楽しいものです。でも調査に時間を掛けられない、掛けたくないという方もいることでしょう。

そういう時は、「家系図作成サービス」にお任せしてしまうのもいいと思います。古い戸籍から辿って先祖の本籍地や居住地がわかります。家系図に過去の本籍地を記載するのも、ルーツの存在がより立体的になって深みが増すのではないでしょうか。