千葉県松戸市で石材店を経営されている渡邊様にお話をお伺いしてきました。渡邊様は100余年続くお店の4代目店主として、先祖への感謝も忘れてはならないと家系図作成・ご先祖調査を申し込まれました。お話をお伺いすると、先祖への感謝はもちろん次世代へ想いを繋ぐバトンを握りしめているという使命感を感じることができました。
先祖の大切さを伝えるために、自分の先祖も大切にしないと
ルーツを辿ろうと思ったキッカケがあったのでしょうか?
自分の仕事柄、やはり知っておかなければいけないと思いました。
渡邊さんは石材店を経営されていますよね。
そうです。私もお墓を建てられる方に『先祖を大切にしてくださいね』と伝えています。ですので、自分自身も改めて、先祖やルーツを知って、大切にしたいと思いました。
確かにご自身で経験されたことは、お客様にもより伝わりますよね。
ウチは曽祖父が創業し、私で4代目になるんですよ。創業者である曽祖父の話は聞くことがありますが、その上の代のことも深く知りたいと思いました。
今回は、戸籍以上のご先祖調査もご依頼いただきました。
有難いことに私も子供に恵まれましたので、この子達に先祖にどんな名前の人がいたか、どのような人たちだったのかを知ってもらいたいと想っています。今はまだ子供たちが小さいので、意識することは難しいかも知れませんが、我々の世代が残しておくということが大切だと思います。
きっと、いつかお子さんたちもご先祖の大切さに気付いてくれると思いますし、その先の世代にとっても非常に貴重な記録になりますね。
曽祖父の写真から創業者の功績が明らかに
お父様やお祖父様から聞いていた話などはありましたか?
やはり創業者である曽祖父の話や会社の歴史のような話は聞いていましたね。
今回は調査にあたり、曽祖父様のお写真を提供してくださいました。
そうですね。皇居に架かる石橋を作ったときに撮られた写真だと聞いていました。
調査の一環で写真を調べさせていただいたところ、写真に写っていたのは皇居の石橋ではなく、隅田川に架かる蔵前橋であることがわかりましたね。
はい。家樹さんからいただいた報告は家族の中でも話題になりまして、皇居の橋ではなかったんだとちょっとした笑い話になりましたね(笑)。
実はお伝えするにあたって、これまでご家族の方が信じていた伝承を覆してしまうことで、気分を害されるのではないかと心配していました。
いやいや、正確な曽祖父の功績を知ることができてよかったですよ。蔵前橋架橋という大きな事業を行ったので、皇居の石橋架橋にも携わっていた可能性は高いと家樹さんの報告にもありました。写真は言い伝え通りではなかったですが、皇居の石橋架橋は本当だと信じています。
そう仰っていただけると、弊社としても大変嬉しく思います。
渡邊家に代々伝わる写真(後列左から3番目がご先祖)
昭和5年の帝都復興記念式典の際に撮られたものであることが判明
お墓参りはご先祖様に触れる瞬間
渡邊さんも仕事上、墓石や墓誌など施工されますよね。
有難いことに、これまでもたくさんのお客様のお墓を建てさせていただいています。
我々も、お客様のご先祖様を調査する上で、墓石や墓誌を確認する機会が多くあります。お名前だけ彫ってあるものや、戒名も彫ってあるものなど様々ですよね。
基本的にはそのご家庭の希望に沿って彫らせていただきますね。しかし、ご相談があった際には、お名前を彫ることを私は推奨しています。
それはどういった理由なんですか?
お墓参りは、手を合わせてお祈りすることもちろん大事なんですが、ご先祖様や亡くなった家族を考えたり想ったりすることが大事なんじゃないかと思っています。
名前が彫られていることで、手を合わせるだけじゃなくなるということでしょうか。
彫られている名前の文字を目にすることや手で触れることで、その人のことを少しでも考えるキッカケになると思います。『おじいさんの名前はああいう字を書くんだな』とか『あそこに刻まれている名前の人は誰なんだろう』とか、興味を持てるようになると思いますね。その人を考えることで、ご先祖様や故人に精神的に触れることができるんじゃないかと思っています。
確かに亡くなった方に触れることはできませんが、想いを馳せることで繋がることができそうですよね。
そして、お墓参りの帰りに家族でご先祖様の話をすること自体が先祖供養になっているのではないかなと私は思います。そういったような身近な先祖供養が子供たちにも伝わっていって欲しいですね。
とても素敵な考え方ですね。私もこれからお墓参りに行くときは、お墓に入っている方々の名前を見て、心の中で祖父母に触れたいと思います。
是非やってみて下さい。
はい。自分もお墓参りに行ったときにやってみます!この度はお話をお聞かせいただき、ありがとうございました!
インタビューの最後に、歴史あるお店の前で記念撮影させていただきました。
創業当初から引き継いでこられたお店は100年以上続く老舗。長い歴史の重みを感じることができました。