建設業を営むお父様の跡を継いだ藤田様。
事業承継が終わった節目のタイミングに家系図のご依頼をいただきました。
先祖を尊ぶこと、受け継いだ者の役割を果たすこと、そんな力強い想いを藤田様に語っていただきました。
藤田家のルーツについて
うちは叔母が樺太生まれなんだよね。戦争でロシアに追われて樺太から家族で逃げてきて、本土で旅館を始めたんだけど、客入りもよくてそれなりに裕福だったみたい。
樺太生まれというのは、かなり珍しいですね。私たちも初めてでした。
うん。樺太出身の家族がいたり祖父が養子だったりと、うちはなかなか複雑な家系だったから、昔からルーツに興味があってね。今回、家樹さんで調査をしてもらって本当に良かったよ。自分が生まれた青森県の今別町では『藤田』って珍しい名字だから、藤田家のルーツが弘前市と聞いて納得がいったんだ。あそこには藤崎という町があるからね。ここまで分かると、今度はその先まで調べてみたくなる。
別料金ですが、もちろん調査は可能ですよ。
どこかのタイミングでぜひお願いしたいね。自分は樺太や青森にルーツがあったけど、北海道に住んでいる人にこそルーツを調べてみてほしいと思った。あそこはもともと開拓地だからね。ご先祖様がどうして北海道に来たのか、本当のルーツは内地のどこなのか、北海道出身の人に聞いてもご先祖様のことを知らない人が多いから、ぜひ調べてみてほしい。
本当にそうですね。
母方の先祖への想い
ところで、今回の調査では父方だけでなく、母方もかなり古くまでさかのぼることができていますね。お母様の家系についてはどうでしょうか?
母方は戦死した人がいると聞いているよ。遺骨といったものは何一つ戻ってこなかったから、お墓だけ立てて一家で供養している。
今回の調査で、その方が中国で戦死されている方がいることが分かりましたね。
お盆の墓参りには毎年欠かさずに行っているんだけど、これまで漠然と『ご先祖様』と感じていたものが、家系図を見ることで、ひとりひとりに名前があり人生があり、その時代を生き抜いていったことがわかったし、感謝が生まれてくる。今回をきっかけに先祖をより大切にしていきたいと思ったよ。
それはよかったです。家系図は本当にご先祖や家族について振り返るきっかけになる便利なツールなんですよね。
今の日本に生きていると、平和が当たり前になっていて、戦争で死ぬ人がいる実感がわかない。でも自分の先祖が戦死していることがわかってから、平和も当たり前じゃないんだなと感じたね。先祖の苦労があって今の平和があるんだから、感謝しないとダメだと思った。
本当にそうですね。歴史を振り返ることで、今の時代に忘れがちなことを思い起こさせてくれますよね。
そう。ウチの子供はまだ小さいけど、大きくなったら教育のためにも、きちんと我が家の歴史を教えてやらないといけないし。
おっしゃる通り、子供に伝えることも大切なことですよね。その時は、是非今回作った家系図を活用して下さい。
二代目としての考え方
藤田様の会社は、お父様から受け継いだもので、藤田様自身は二代目社長でいらっしゃるのですよね。
そうそう。ちょうど今、会社の事業承継が終わったところ。父がどういった経緯でこの会社を興したのか、自分の中にきちんと落とし込んでいって、根っこにある大切な想いや考え方をしっかり引き継ぎ、次の世代に繋いでいく。これが二代目としての自分に課せられた義務だと思っている。
強い決意ですね。
そうでないとご先祖様や父に報いることができないでしょう。それに、自分にとっては会社の歴史は藤田家の歴史でもあるんだ。だから会社のことを考えた時に、まずは自分の家族やご先祖様のことからまとめてみようと思って。それで今回、家樹さんに家系図の作成をお願いしたからね。父はすでに第一線を退いている、残すなら『今』だなと。今後は会社の歴史を社員に伝えていく必要もあるから、家系図を作ったあとは社史も作ろうと思っているところだよ。
そうだったんですね。藤田家の大きな節目に家系図をご依頼いただき、弊社としても嬉しいです。
ルーツの酒の話
今回は、藤田様のリクエストもあり、居酒屋でのインタビューにさせていただきました。
ここは会社近くの馴染みの店でね、部下達とも来るんだ。いい店だろ?
はい。雰囲気があって、素敵なお店です。お酒と言えば最近、家樹では、ご先祖様のルーツの場所にちなんだお酒を紹介する『ルーツの酒』という提案を始めました。
ルーツの酒?それは、酒呑みの心がくすぐられるね(笑)。
藤田家のルーツの場所は青森県の弘前市ですが、この土地では享保4年(1719年)創業の酒造が有名なんです。もしかしたら、藤田家のご先祖様も同じお酒を飲んでいたかもしれませんよ。
それは面白い(笑)。焼酎や日本酒にも長い歴史があるからね。家族が集まる正月とか法事とかで、ルーツの酒を飲んでみようかな。
お酒好きな人にはたまらないと思います。お酒の味だけでなく、“飲む意義”のあるお酒が「ルーツの酒」ですから、きっと盛り上がると思います。この度はご依頼いただき、ありがとうございました。