家系図というのは、自分の父母や、そのまた上の父母などというように、直系で繋がっている家系と、その人達に関わる血族を表した図のことです。

皆さんのお家に家系図はありますか?

先祖代々伝わる家系図をお持ちの方もいらっしゃると思いますが、実際は家系図を作ったことがないという方がほとんどだと思います。では家系図があって役に立つことといえば何があるでしょうか?

家系図は相続のときに役立つ

相続

家系図が1番役に立つと思われるのは、人間だったらいつかはおこる、相続のときです。相続の場面では、亡くなられた方のことを、被相続人といい、その方の財産等を相続をする側の人のことを相続人といいます。

被相続人が、遺言書を書いていれば、基本的にその遺言書の内容通りに相続が行われることになるわけですが、被相続人が遺言書を書いていない場合は、原則として法定相続人が、残された財産を相続をすることとなります。法律的な話をすると、基本的に財産を残す側である亡くなられた方(被相続人)の財産は、元々その方が持っていた財産であり、その方自身が自由に誰かに相続をさせる権利があるということになります。その意思表示をすることができるのが遺言ということになります。ですが、遺言書を書いていなかったり、遺言書があったとしても、遺言書には書き方や一定のルールがある為、その要件を満たしていないと不備ということになり、その遺言書は残念ながら無効となってしまうのです。その場合は、誰が相続人になるのか、わからなくなってしまうことになります。

そこで、法律で「法定相続人」が定められているというわけです。法律で予め定められた相続人という意味です。実際問題、日本ではまだ遺言を残すことは一般化しておらず、その法定相続人が法定相続分にしたがって遺産を分けるケースが多くなっています。実際に大きな財産をお持ちの方が遺言を残さずに亡くなってしまったときは、誰がどのくらい相続するのか協議する際に、揉め事になってしまうこともあり、せっかく仲が良かった家族関係や、親族関係が悪化してしまうということになりかねません。

そのため、遺言書がない場合は、法律の定めによって「誰が相続人となるのか」、さらに「その相続人が遺産を受取る割合」について原則となるルールが定められているというわけです。このようなことを予め把握する上で、家系図は非常に役に立つものになります。その相続人の関係図こそが正に家系図だからです。

もし家系図がない場合は、被相続人が死亡した後に専門家に相談するか、自分で調べたりして誰が相続人なのかをやっと把握することになりますが、誰が相続人となるのか事前にハッキリとわかっているのであれば、その方がお亡くなりになった後の相続手続の手間を省くことができて、かつ相続が発生したときのイメージ作りができることにもなります。

ただし、家系図に全ての相続人が掲載されていると思って実際の確認を怠るのは、後々トラブルになる可能性もあります。あくまでも事前に大まかに把握できる程度と思っておいて下さい。家系図を作ってから期間が経っている場合は、その期間の中で既になくなっている人がいたり、新しく生まれた子供がいたりして、相続に関する法律関係が変動しているかもしれないからです。

家系図の1番の魅力とは

このように実用的な部分も多い家系図ですが、他にも魅力がたくさんあります。
それは、自分のご先祖様や、自分のルーツについて知ることができるという部分です。

自分の人生だけではなく、自分が生まれてきたご先祖様とのつながりなどを調べることによって、自分の存在について再確認したり、忘れがちだった家族の絆を感じたりする方もいらっしゃることでしょう。自分が生まれるまでに、脈々と引継がれるご先祖様との繋がりがあって、自分が生まれてきて、これからも子孫に繋がっていくのだなと思うと、なんだか不思議な感覚になります。そして、その家系図を自分の子供に引き継いでいくことにより、またいずれ子供達が自分のことを思い出してくれたり、こんな先祖がいたんだと知ってもらうことができれば、これまた嬉しいことなのではないでしょうか。 立派な功績を残した方の銅像が立てられることと同じように、自分が生きた証を簡単に残すことができるのです。

結婚の記念に家系図を作ることもオススメ

結婚式

結婚式のときはたくさんの親族が集まる場合も多いと思います。結婚式にどの親族の方を呼ぶのかを決めたりすることにも役立ちますし、来ていただいた親族の方との関係を把握することにも家系図は役立ちます。

結婚の記念として家系図を作ることもオススメです。大半の結婚式は「家」と「家」の間で行われるもの、という考えだからです。結婚は家と家がつながるときですから、「家族の絆がふえるとき」と言えると思います。そんなとき、これから結婚する二人が家系図を作って、家族のキズナをカタチにすることができるのが家系図なのです。家系図を作ることで、これから良い家庭を築いていこうという気持ちにもなれると思います。

このように、人によって家系図を作る理由は様々だと思いますが、役に立つことはあっても、邪魔になるものではありませんので、まだウチには家系図がないという場合は、是非この機会に作ってみるというのもいいと思います。一度作った後は、自分の後の世代にも引き継いでいけるものとなります。

家系図の注意点

家系図の注意点は、サプライズプレゼントとして友人の家系図を作ってプレゼントすることはできないということです。

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家系図を作る際には、個人情報である戸籍を調べなければならないのですが、他人(友人)の戸籍を勝手に請求することは認められません。

必ず請求者からの委任状が必要となりますので、個人の情報を勝手に取得することはできないのです。

もし、友人に誕生日のサプライズプレゼントとして、自分の家の家系図を貰った方がいらっしゃるのであれば、プレゼントして方は違法な手段によって自分達の親族や先祖、家族の情報を手に入れている可能性がありますので、「ありがとう」では済まされないことになってしまいます。。

よく問題になるのが、行政書士等の専門家が使う職務上請求といわれる方法で、個人の戸籍謄本を勝手に取得してしまうことです。専門家の職務権限の濫用のケースです。

個人情報の取扱いに関しては、近年では昔より、かなり厳しくなってきています。テレビや新聞などでも取り上げられることも多く、誰でも簡単に情報を発信できる時代になったこともあり、個人情報に関する意識はどんどん上がってきています。そのため、戸籍を取得するときも、第三者が行う場合には、委任状だけではなく委任された人の身分証が必要となります。直系の親族であれば、自分の権利として戸籍は集められますが、利害関係のない赤の他人が勝手に戸籍を取得することは認められていないのです。

家系図をプレゼントすることができるのは、その方の直系の親族だけ、自分の実の父親や実の子供だけだということを、是非知っておいて下さい。